地徊営業日誌
目次|書きすてたもの|未定なもの
今のアパートのすぐ脇は港から駅まで続く一本道なのですが、そこで真夜中ちょうど人が目を覚ました時を狙い澄ましたかのように元気な集団が走り回ってました。眠りが浅い方の私はその音を無視して寝ることも出来ず。微笑ましい私の祈りは届かず。 眠いです。べらぼーに。
どーにも満足いかぬまま駆け足で。本当はもっと長かった…くえすともーど仲間↓
*** 始まりの章 ***
その男は暗い丘の上に一人で立っていた。空には月が一つだけ、ぽつんと浮かんでいる。 (月みたいだってば) 今宵は満月。こんな夜は外に出てはいけないのだ。満月の夜は魔物の力が強くなるのだから。 (きれい) 涙でかすむ目でナルトはその男を見つめた。全身に黒いマントを纏っている上、ナルトには背を向けている所為で顔は見えない。ただ、月光に映える銀色の髪が風に靡いていてそれがひどくきれいだった。 「ねぇ、お前何してんの?」 その声が男のものであることに、ナルトはしばし気が付かなかった。気が付いたときは男が目の前に居た。視界が男のマントで黒一色に染まる。その先に、輝く銀色の光。 「夜は外に出ちゃいけない、って習わなかった?」 からかうような男の言葉に、ナルトは頬を膨らませた。見とれていたなど思いたくなく、視線を反らす。 「しゅぎょーだもん」 「修行?お前みたいなガキが?」 呆れたような男の言葉に今度こそナルトは腹を立てた。遥か頭上にある男の顔にむかって指を突きたてる。 「ガキじゃない!!うずまきナルトだってば!!」 ナルトの剣幕に男が笑ったのがわかった。ナルトの頭に血が上る。 「オレってばもう八歳だってば!ガキじゃない!!」 「ガキじゃない、ねぇ」 ナルトの言葉に男はおかしそうに言った。肩が小刻みに震えているところを見ると笑っているらしい。 「〜〜〜っっ」 ナルトは悔しくて涙が出てきた。さっきまで泣いていた涙腺は容易く緩んでしまう。泣き出してしまったナルトに、ばつが悪そうに男は頭を掻いた。 「……悪かった。からかいすぎたよ」 声がひどく近くでしたので、ナルトは不思議に思い顔を上げる。すると目の前には見たことのない顔があった。 「悪かった」 男は苦笑するとナルトの髪を撫でた。顔の半分は眼帯で覆われていたが、残る右半分、眠そうな蒼い瞳が優しくナルトを見つめている。その瞳と手の優しさに、ナルトは涙を止めた。
「それで、ナルトは何でこんな時間に修行してたんだ?」 男の問いにナルトは自慢げに胸を張った。 「勇者になるため!」 「ほう、それはそれは」 どこか呆れた調子で男が相づちを打つ。ナルトは唇を尖らせた。 「オレってば絶対!勇者になって魔王を倒すんだってば!!」 ぐっと拳を握りしめナルトが宣誓する。男は眼下に広がる町並みを見下ろした。 「魔王、ってのはね、これくらいの街なら簡単に滅ぼせちゃうんだよ。そんなヤツ相手に戦えるとでも?」 「だって魔王が悪いことするからみんな困ってるんだろ?だったら魔王さえ倒せばいいんだってば!」 無邪気に言うナルトに、男は暗い目で闇夜を見る。 月がたった一人で浮かんでいた。 そんな男には気付かずナルトは更に熱弁を振るう。 「そんでさ、オレは魔王を子分にするの!」 鼻息荒く叫ぶナルトに、男が皮肉げに笑った。 「子分にしてどうするんだ?世界征服でもするのか?」 「あっまーい!そんなんじゃなくてー、魔王と一緒に暮らすの!」 にぃ、とナルトが笑う。無邪気に。想いのままに。 男が目を丸くした。 「そうしたらオレも一人じゃなくなるし、魔王も悪いことしないし、いっせきにちょうだってばよ!」 目をきらきらと輝かせてナルトが言う。男は眩しそうに目を細めると、視線を反らした。 「……なるほど、ね」 「ねー、いい考えでしょ」 自慢げにナルトが胸を張る。金色の髪が月光を弾いてキラキラと輝いた。それを見て、男は微笑んだ。 「そうだな、お前にならいいかも」 男の呟きにナルトは首を傾げた。男がナルトを見る。優しいその笑みに、ナルトの胸が大きく鳴った。今更ながら、男の顔つきがひどく整っていることに気付く。 「あ、あのさ、あんた名前なんていうの?」 何故だか男をまっすぐ見ることができなくて、ナルトは俯いた。頬が熱い。 「カカシ」 「カカシ」 男の口にした名をナルトは反復する。変な名前、と呟いたらカカシはおかしそうに笑った。 「ナルト」 名を呼ばれ、ナルトの頬に朱が上った。心臓が激しく脈打つ。耳元でどくどくと音が響いて、ナルトは思わず目を閉じた。頬に何かが触れる。反射的に食いしばった唇に何かが触れた。 「オレ目座してまっすぐにかけておいで」 冷たいその感触に思わずナルトは目を開けた。吐息のかかりそうな距離にカカシの蒼い瞳がある。思わず手を伸ばしナルトはその頬に触れた。冷たい肌に指を滑らせれば左目を覆っていた眼帯があっさりとはずれる。 ナルトは目を見開いた。 「未来の勇者殿」 再び唇に何かが触れる。今度こそ、ナルトは目をまん丸にした。目の前で楽しそうに蒼と朱の瞳が笑っている。冷たいのはカカシの唇だ。 「ぎ……」 魔王の、噂。夜の蒼と血の朱の瞳。麗しい姿形で人を惑わすと言う。 ナルトは悲鳴を上げた。 「オレのふぁーすときすぅぅぅぅぅ!!」 「あ、初めてだったんだ。ごめんごめん」 ハッハッハとおかしそうにカカシが笑う。その頭をぽかぽかとナルトは叩いた。 「ひでぇってば!!返せ、かえせーーーーーーっっ」 涙ながらの叫びもカカシには効かない。ひときしり笑うと、カカシは殴りかかってきたナルトの腕を掴んで抱き寄せた。 「はい、返した」 ちゅ、と音を立てて再び口付けられる。ナルトの顔が瞬間的に真っ赤になった。 「ぜってぇたおしてやる!!」 「楽しみにしてるよ〜」
うずまきナルト八歳、この日彼は勇者になるべく一歩を踏み出した。
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だから本当は痛い話(本当かいな)のっけからこんなんかい!!みたいな。 書けば書くほど深みにはまる話……書き手に痛い話です……
あかん、寝まする……おやすみなさい。
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