地徊営業日誌
目次書きすてたもの未定なもの


2002年09月13日(金) 厄日

朝から家で豪快にこけ昼縄跳びで一度も飛べず挫折し夕方自転車で自転車と対面衝突をしてみました。へこんだので帰りにご飯を食べて元気に。己のこーいう安上がりな所は好きです(笑)ただパソコン打とうとしたら小指を曲げると痛いことに気付きました。あいた〜☆

つーか旦那の誕生日あさってですね!あははははは(乾いた笑い)……しまったな……


頑張りますか。↓

*** 記憶 ***

覚えているのはその手の冷たさ


「よく頑張ったね」
大きな手が髪の毛をかき回す。何度やられても慣れないその仕草に、ナルトは今日も目を閉じてしまった。
「じゃ、解散」
気がつけば手は離れ、カカシが任務終了を告げていた。ぐしゃぐしゃになった己の頭に手をやり、ナルトが溜息をつく。
(あ〜あ)
今日も見れなかった。どんな目をしてカカシが己に触れるのかナルトは知らない。知りたいと思うがいつも目を閉じてしまう。
己に触れる『大人』はどんな目をして己を見ているのか。
(わかんないってば)
嫌な感じはしない。だが、だからといって安心するのは早いような気がする。
考え込んでいたら頬に痛みが走った。
「なーにかんがえてんだか、このお馬鹿は」
ぐに、とほっぺたが引っ張られる。容赦ない痛みに涙がにじんできて、ナルトは歯を食いしばった。
「痛いなら痛いって言いなさい」
呆れたようにカカシが溜息をつく。それでもナルトが黙っているとカカシはしゃがみこんで視線をあわせた。
「大丈夫だから」
何が大丈夫なのかわからず、ナルトが眉をひそめる。カカシはもう一度溜息をつくと、頬をつねっていた手を離しナルトの頭に置いた。
「オレにこうされるの嫌い?」
ぐしゃ、とカカシの手がナルトの髪をかき回す。やはり今度もナルトは体をすくめ目を閉じてしまった。
「ん?」
ナルトの頭からは手を離さずカカシが答えを促す。その瞳が少し悲しそうな気がして、ナルトは視線を反らした。
「だって…」
「だって?」
「先生の手、冷たい」
ナルトの答えにカカシが目を丸くするが、ナルトはそれ以上説明する気にはなれなかった。
冷たいものは嫌いだ。
里人の己に向ける視線。
一人で眠る布団。
そして暖かい所から己を引きずり出したあの手。
ひどく優しかったくせに、己を置き去りにしたあの手。
だから、冷たいものは嫌いだ。
「う〜ん」
天を仰ぎカカシが唸る。そして困った、とばかりに大きく肩を落とした。
「これは職業病みたいなものなんだけど。お前もそのうち任務中は体温下がるようになるよ。っていうかそれくらいなってもらわないと」
「でもやなんだってば」
思い出すから。
断固として言い放つナルトに、カカシは思案するように頭を掻いた。
(べつにそれくらいわかってるってば)
『生』の痕跡を消すために体の新陳代謝を遅くする。だから体温が低くなるのだと、そう言っていたのは火影だ。ずっとそうしすぎて意識しなくてもそうなってしまうのだと。
(だから心配しなくても良いよ)
そう言ったのは誰だったか。顔も覚えていないのにその手の冷たさだけ鮮明で、ナルトは唇を噛む。あの記憶は泣きたくなるから嫌いだ。
沈黙が気まずくて、ぼんやりとナルトはカカシの足先を見た。そこにカカシの着ていたベストが落ちる。
「ん〜、じゃこうするか!」
いきなりカカシが明るい声をあげ、ナルトは思わず顔を上げた。そして固まる。
「ん?」
口布を指で引き下ろしながらカカシが微笑んだ。目を丸くしたままナルトが凍り付く。
「なに?あんまりかっこよいから見惚れた?」
冗談めかしてカカシが問う。素直にナルトは大きく首を縦に振った。カカシが小さく吹き出す。
「……困ったね」
「?」
苦笑混じりに呟かれ、ナルトは小首を傾げた。カカシがニッコリと笑う。
「!!」
いきなり体を引かれた。抵抗する間もないまま唇を塞がれる。口の中に何かが入ってきて息が出来なくなった。
「………っ!!」
息苦しさにきつく眉根をひそめる。何が起こっているのかわからず、ナルトは怯えた。ぞくり、と背中に悪寒が走る。逃げようにも後頭部を固定されていて叶わない。
「……暖かいね」
ナルトの体から力が抜けてしまってからやっとでカカシは唇を放した。肩で息をつきながらナルトが力無くカカシにもたれ掛かる。
とくん、と何か音がした。
「聞こえる?」
ナルトを優しく抱きしめたままカカシが囁く。ナルトはカカシから聞こえる音に耳を奪われた。
「……なぁに?」
「心音だよ。生きてます、って意味だね」
「生きて……?」
「そ。ここに居るって証拠みたいなものかな」
とくん、とナルトの耳に心音が伝わる。その音を聞いていると高ぶっていた気持ちが徐々に落ち着いてきた。
「………せんせー」
「ん?」
「この音……好き」
カカシに抱きしめられたままナルトが小さく呟く。カカシがそっと微笑んだ。
「もっと聞く?」

冷たい手は嫌いだ。
それは優しいくせにいつも己をおいてゆく。
そして、やはりカカシの手は冷たくてナルトは少し逃げたくなるのだけど。

「うん………」
それでもここに居てくれると言ってくれるのなら。


******

当初予定していたエピソードまでいけず!!一応昨日の話の前にあたるんですが。つーか「旦那お誕生日おめでとうキャンペーン」はどこへ!?まぁなんか不埒なことしてるしいいか(いいのか!?)後はこれのカカシsideとこの後とチビ編?……何故シリーズ化してるのでせう……?


婆様が爺様助けにこないかなぁ、とか思ってる辺り悪あがきがすぎますか?


小此木 蘇芳 |HomePage