地徊営業日誌
目次書きすてたもの未定なもの


2002年05月06日(月) 本日も

非常に楽しい休日を過ごしておりました。最近幸せすぎて怖いです。

またもやこれを書くのにほとんどの時間を費やしてしまいました・・・。無理矢理終了です(泣)↓


***お父さんと一緒 〜子守歌を聞いた日2〜 ***


その後男の方は女に叱られて街までお使いに出かけ、女の方がナルトの手当をしてくれることになった。転んだときにすりむいた膝を丁寧に手当てして貰う間、ナルトはまんじりともせずに女の動作を見ていた。見惚れていた、と言った方が正しい。
「大したことがなくってよかったわ」
女の人の手というものをナルトはあまり知らない。だから、細くしなやかな指がナルトの傷口に触れるのが信じられなかった。
(サクラちゃんの手はこんなんじゃないってば。紅先生はどうだったかなぁ)
数少ないナルトに触れてくれる女性の手を懸命に思い出す。紅の手も細いが、忍びだけあってその力は強く、しっかりした造りになっている。
今、目の前でナルトの手当をしてくれる手は、とてもほっそりとしていて真白で、クナイなど握ったら折れてしまいそうだ。
(なんか変なの・・くすぐったいっててば)
触れられているところではなく心のどこかがくすぐったい。女の人の手をさして白魚のような、といつか自来也が言っていたがこういう手を言うのだろうか。
「ナルト?」
声だってひどくやわらかい。ヒナタがこんな声だよな、とナルトはぼんやりと思った。傾げられた顔はきれいで、青い瞳にぼけっとした自分の顔が映っている。女が心配そうに眉をひそめた。
「ねぇ、本当に大丈夫?」
「・・だ、大丈夫だってば!!」
慌ててナルトが叫ぶ。まさか見とれていたとは言えず、盛大に笑ってごまかす。
「あの、あの、オレ手当なんていらないからさ!」
ほら、と傷口を拭いていてくれた布をのける。その下には傷跡すらなかった。一瞬女が目を瞠る。
「・・・ね?平気でしょ?」
しまった、と思うがもう遅い。いくら擦り傷だってこんなに跡形もなくなく治るはずがない。おかしく思ったはずだ。
だがナルトの予想に反し、女はうれしそうに笑った。
「まぁ、それは良かったこと」
安心したような女の声にナルトが驚く。女の手がナルトの頭を撫でた。優しい感触にナルトが肩を震わせる。
「傷があっては思うように動けないもの。治りが早いのは良い事よ?」
ふわり、とやはり良い香りがしてナルトは泣きそうになった。額に触れる手はカカシの物とも火影の物とも違う。
ね、と女が首を傾げた。ナルトは泣きたくなるのを堪えて無理矢理笑った。
「変なねーちゃん・・・」
「あら、おばさんでよいわよ。実際年だし」
「・・・でも、きれいだからねーちゃん」
ナルトの言葉に女は一瞬驚いたように目を瞠り、それからゆっくりと微笑んだ。
「まぁ、ありがとう」
その笑みはやっぱりきれいで優しかったから、ナルトは泣きたくなるほどうれしかった。
慌てて袖口で目の端をこする。
「オレ、オレなんかさ、眠くなっちゃった。ねーちゃんもう行っていいよ」
これ以上一緒に居たら離れたくなくなりそうで、ナルトは慌てて言った。女が目を瞠る。
「家まで送りましょうか?」
「ううん、ここで待ち合わせしてるんだってば。だから、ここに居る」
「まぁ、私も夫とここで待ち合わせしてるのだけど」
困ったわねぇ、と女が呟く。言葉につまるナルトに、女は少し考えた後自分の隣を示して見せた。
「私は本でも読んでいるから、あなたは寝ていなさいな。休むことも大事な修行の一つですものね」
そうしなさいな、と言われ、ナルトは頷いた。


風に乗って歌が聞こえる。子守歌だろうか、これは。
(久しぶりだな)
懐かしい歌声にカカシは目を細めた。十三年ぶりだろうか、この歌を聴くのは。
優しい、心にしみいるような歌声。
森の奥の水場に出る。女の膝に頭をもたれさせてナルトは気持ちよさそうに眠っていた。
「久しぶりね、カカシ」
歌うのを止め女が微笑む。それを少し残念に思いながらカカシはため息をついた。
「久しぶり・・・と言いたいところだけどあの人野放しにするなよ」
「あら、役場で何をしているかと思えばごねているのね。困った人だこと」
ナルトの髪を撫でながら女が楽しそうに笑う。カカシはそんな女を困ったように見つめた。
「・・・・言わなくて良いのか?」
カカシの言葉に女が一瞬動きを止めた。ナルトと同じ青い瞳がカカシを見上げる。
「あなたが居てくれるから良いでしょう」
ね、と微笑まれカカシが頭を掻く。気まずそうなカカシの様子にクスクス女が笑った。
「一ヶ月間放って置いたこと、気にはしているのね」
楽しそうな女の様子に益々カカシが居心地悪そうな顔をする。女の手が優しくナルトの頭をなでた。
「言ったでしょう?この子のことはまかせると。信用していてよ、カカシ」
「・・・そっちのほうがしんどいかも」
「ふふ」
悪戯が成功したような無邪気な笑みに、カカシは再び頭を掻いた。どうにもこの人には敵わない。
「じゃあ私はあの人を迎えに行ってそのまま戻るわね」
ナルトの頭をそっと降ろし、女が立ち上がる。そしてふと悪戯を思いついたように笑った。
「そうそう、あんまり甘えすぎてナルトに捨てられないよう気をつけなさいね」
「!?」
「さようなら、二人とも」
カカシが反論する間もなく女の姿がかき消える。気配すら残さず消える術は見事だが、また爆弾を落としていってくれたものだ。
「あの人に何か言ったのか、お前・・・」
ため息をついて気持ちよさそうに眠るナルトの頭を撫でる。そのまま前髪をかき分けてやれば、ふにゃぁとナルトが笑った。その笑顔にカカシも釣られて微笑む。
「ま、ご期待に添えるようがんばりますか」
そう言ってカカシはナルトの額に優しく口付けた。


夢を見た。優しい人の夢。
耳に聞こえたのは優しい唄。頭を撫でてくれる手がひどく気持ちよかった。
(・・・お母さんってこんな感じかな)
以前どこかの赤ん坊に母親が歌って聞かせていた唄。子守歌と言うのだとカカシが教えてくれた、あれと同じ唄。
(そうだったらいいな)
夢心地にそう思った。こんな風に優しい人が自分の母親だったらどんなにいいだろう。
(・・・お母さん・・・)
カカシとは違う優しい温もり。心に染み渡る唄。きっとこういう人の事を母と呼ぶのだろう。
心が温かくてうれしくて悲しくて涙が出る。
(ばいばい)
だから最後まで何も語らなかった人に心の中で別れを告げた。あの人の瞳が自分と同じであったとか、お色気の術で大きくなった姿と同じであったとかーーーーーーー本当は何度も夢の中で会っているのだとか。そういったことはきっと誰にも言ってはいけないことなのだろうと思う。
これはあの人と自分だけの秘密だ。
「ナルト、目が覚めたのか?」
カカシの声にナルトはうっすらと目を開けた。目を覚ませば目の前にはカカシの後ろ頭がある。どうやら自分はカカシに負ぶわれているらしい。
「お前ね、あんな所で熟睡するほど修行するんじゃないよ。ほどほどって言葉覚えなさい」
ため息をつくカカシの首にナルトはしがみついた。振り向こうとしたカカシの首にナルトは顔を埋める。
「・・・・・・・せんせーはいなくならないで」
小さく呟かれた言葉にカカシは言葉を失った。それからゆっくりと頷く。
「わかった」
ナルトを抱き上げるカカシの手に力がこもる。ナルトの体を一度揺すり上げ、いつものふざけた口調でカカシは続けた。
「約束な」
「うん、約束だってば」
カカシの体温にナルトがすがる。ナルトの手がカカシの服を強く握りしめた。
「破ったら承知しないってば」
そしてもう一度だけナルトは呟いた。言葉にならないほど小さく、そっと。

「ばいばい、だってば」
心配しないで。共に歩いてゆく人はちゃんとここに居るから。


*******


無理矢理終了したのがありありとわかって笑って頂けるのではと・・・(自虐)本当に早く狐書けば良いのですよ、はい。わかっているのですよ。そもそもあれないとこの話意味不明ですしね!・・・・・わかっているのでそっと見なかった事にしてあげてください・・・・。書きたかったんです、ナルママ・・・・。ていうか注連パパの存在忘れてました。やばい(汗)役所で長老連脅すパパとか三代目にごねるパパとか諸々の困ったパパが!!
うう、また次の機会に・・また伸びるのですか、そうですか、がくり。


小此木 蘇芳 |HomePage