地徊営業日誌
目次書きすてたもの未定なもの


2002年03月10日(日) らりほ〜

アンドリューの死に様見ました。何と言って良いやら。一つわかったことはオヤジーズの関係は周囲の人間にはもろばれであったということだけです。

オヤジーズ劇場、今度は風乃がチビモモ劇場言い出しました。オコサマーズでジロヒサ・カカナル。オヤジーズと対極に甘甘で。私はまだそこまで進んでいないのですがかなり萌え設定らしいです。両方やるとか言ってます。自分らの原稿の遅さを考えて言いましょう、風乃さんv


一旦こちらに上げます。若かりし頃の爺様(筧)と九尾(九娘)。嵐の予感。何げに筧ちゃっかりもの↓

***予兆***

「ただいまー」
元気良く響いた声に、九娘は顔をひそめた。急いで玄関に向かえば、忍服もそのままの後ろ姿があった。
「何がただいまじゃ!!ここはお主の家ではないわ!!」
玄関で靴を脱いでいる筧に向かい九娘が怒鳴りつける。だがそれもいつもの事なので、筧も筧を出迎えた年寄りの雪科も気にしない。
「はい、みやげ」
「これはこれは婿殿。いつもすみませぬ」
「雪科!!」
筧から土産入りの袋を受け取る部下の雪科に九娘が怒鳴りつけるが、相手は平然としたものである。
「さ、お疲れでしょう。まずは湯殿へどうぞ」
「すまない」
「聞け!!二人とも!!この家の主はワシじゃ!!」
だが九娘の叫び虚しく、筧は当然のように屋敷へと上がった。うう、と唸る九娘に雪科が振り返って告げる。
「お館様もお食べになられますか?」
その手には『風の国名物すなせんべえ』なる文字の色も鮮やかな菓子折があった。
「いらぬ!!」
「ではこれは私どもで頂きましょう」
すたすたと、主を残して雪科も奥へと戻る。一人残され、九娘は思わず呟いた。
「・・・ワシはセンベエ以下なのか?」
世界最強と歌われ恐れられる伝説の大妖の発言は、せんべえに負けた。


よく日のあたる縁側でちょこんと九娘は座っていた。隣には二人分の湯飲みがある。
「遅くなった」
「遅いわ!!」
風呂上がりでさっぱりしてきた筧に九娘が怒鳴りつける。筧が苦笑した。
「機嫌が悪いな。何かあったのか?」
よいしょ、とかけ声と共に筧が九娘の右側に座り込む。九娘が頬を膨らませた。
「何もなかった」
明らかに機嫌が悪い。筧は少し考え、それから苦笑した。軽く九娘の頬に口付ける。
「ただいま、九娘」
「うむ」
当然、と言わんばかりにふんぞり返って九娘が頷く。小さな子供のようなその態度に筧は微笑んだ。
「ワシもまだまだ若かったということか」
齢15になったばかりの少年はそう一人納得した。出会った頃は九娘の事を何ときれいな生き物だろうとばかり思っていたが、実際はとてもきれいでかわいい生き物であった。
「何の話ぞ?」
お主はまだ十分若かろう、と九娘が首を傾げる。筧はにっこり笑うと、手を差し出した。怪訝そうに九娘も手を出す。
「はい、みやげ」
筧の声と共に九娘の手の上に貝殻が現れる。別段珍しくも何ともない子供だましのような忍術だが、九娘がこの手の仕掛けを好きなのを筧は知っていた。案の定、九娘が瞳を輝かせる。
「巻き貝か」
「今回の仕事は霧の国でだったからな」
霧の国、と聞いて九娘が眉をひそめる。
「九娘?」
九娘の手が巻き貝を握りしめた。そしてそっと手の中の貝殻に口付ける。
「・・・戦になるのだな」
悲しげなその声に筧は一瞬言葉を失った。知りたくないことまでこの妖は感じ取ってしまう。筧は九娘の手に自分の手を重ねると、あやすように名を呼んだ。
「九娘」
「また死ぬぞ?何故人は争いを止めぬ。失えば悲しいのは誰もかれも同じであろうに」
「・・・そうだな」
「ワシはいやじゃ。子とは慈しまれるために生まれてくるはずじゃ」
苦しそうに九娘が顔を顰める。そうだな、ともう一度筧は頷いた。長引く戦に里では幼い子供までもが当然のように戦いに駆り出されている。そしてその穴を埋めるように里では人工的に子を産みだしていた。まるで、物のように。そしてあっさりと使い捨てるのだ。
「九娘の方がよほど人間らしいな」
苦笑し、筧は九娘を抱き寄せた。むっとして九娘が頬を膨らませる。
「どういう意味じゃ」
「ふむ、そうだな・・・すぐに、というわけにはいかぬが、子供らを戦場に送るのを止めることはできるかもしれん」
思案顔で筧は頷いた。九娘が筧の胸ぐらを掴んで引き寄せた。
「本当か!?」
信じられないと全身で語る九娘に、筧が苦笑する。
「戦で無駄に命が失われるのはどこの国でも同じだからな。戦に変わる力のぶつけ方を示せばのってくるだろう。そうすれば、少なくとも無益な死は免れる。・・・もっとも、何年かかるかわからぬがな」
その困難さを思い筧がため息をつく。九娘が呆然と呟いた。
「・・・できるのか?そんなことが・・・」
戦が無くなる。そのことを切望はしていたが、到底九娘には信じられなかった。そもそも、ここに里が出来たのでさえ戦に終われた人々が逃げこんで来たのが始まりだ。
「だが九娘は戦がいやなのだろう?」
仕方ない、と言うように苦笑して筧がため息をつく。
「ワシの言葉も少しは信じてはくれぬか?ワシは、そなたには嘘をつかぬ」
珍しい物を見るように見つめてくる九娘に、筧はそっと口付けた。九娘は身動き一つせずそれを受けた。
「・・・お主、大きくなったのだな」
出会ったときはほんの子供だった。だが今では筧の方が九娘よりも大きい。
そのことに九娘は気が付いた。人はいつまでも同じではいないのだ。
「そなたより強くなろうと言うのだからな。まだ大きくなるぞ」
うれしそうに筧が笑う。そればかりは年相応に子供らしい。
手の中の貝殻を握りしめれば、掌に棘が刺さった。

嵐が来る。


*****

がんばれ、爺様!もう一押しです!!うまく入らなくて書きたかったエピソード一つ削りました。く、くやしい。また今度〜。


明日は飲み会です。追い出しです。でも私もその席の主役になるのかどうか未だに解ってませんvたは〜。


小此木 蘇芳 |HomePage