地徊営業日誌
目次書きすてたもの未定なもの


2001年12月23日(日) 敗北

小僧さんのシステムをどうにかしようと思いまして。もう一日に何回も凍られてはこっちがたまらんというものです。でもリストアさえも受け付けてくれませんでした・・・。再インストールはしたので今から設定を色々戻さなくては(汗)

というわけで更新は明日の夜には必ず!!今のところうず亭に二本ほど上げる予定です。5000打企画は5555の方が好きなのでそちらでやることにしました。5という数字が好きなのですv
そして年賀状一枚も作ってないことに気付いたので明日は一日小僧の前です・・・。

まあクリスマスですし↓
というかかゆかった・・・・


***Can I kiss you?**

「なーると、何か欲しい物ない?」
唐突なカカシの問いにナルトが目を丸くする。
「はあ?」
呆気に取られるナルトの鼻を、楽しそうにカカシは指でついた。
「だから欲しい物。ボーナス出たしね。何でも買ってあげるよ」
ワクワクして言うカカシに、ナルトは小首を傾げた。
「欲しい物、って言っても・・・」
思いつかないのか、しきりに首を傾げる。かなり期待してカカシはその様子を眺めた。しばし逡巡した後、ナルトはちらりとカカシを盗み見た。
「・・・本当に何でもいいってば?」
「もちろん。上忍を舐めるんじゃないよ」
ニコニコ笑って答えるカカシに、ナルトがまた考え込む。
(何?そんなに高い物なわけ?)
どうも欲しい物がないと言うわけではないらしい。こう言っては何だが上忍のボーナスは半端ではない。値段の点ならば大抵克服出来る自信があった。
「ほら、言ってみて?」
優しく促せば、伺うようにナルトがカカシを見上げる。ん?ともう一度カカシが促せばナルトは決意したのか顔を上げた。
「じゃあさ、先生目つむってじっとしててくれるってば?」
あまりに予想していなかった答えに、カカシが目を丸くする。
「・・・・・は?」
「だから!!目閉じてじっとしててってば!!」
唖然とするカカシにナルトが真っ赤になって怒鳴った。
「・・・何?何するの?っていうかそれってさあ」
「いいの!!それが欲しいの!!何でもいいって言ったじゃん、先生!!」
「いや、ダメって言うかさあ・・・」
「とにかく!五分でいいから言うこと聞いてってば!!」
何やら真っ赤になってまくし立てるナルトに、カカシはため息をついた。これは言うことを聞くしかなさそうである。
(まあ・・・欲しい物はまた今度聞いてみよう)
それは欲しい物、ではなくて「お願い」って言うんだよ?
カカシはその言葉を飲み込んだ。今から討ち入りに行こうかというくらいナルトは鬼気迫っている。下手なことは言わない方が良い。
「わかった」
短く答えれば、途端にナルトの顔に喜びが広がった。

言われたとおり床に座るとカカシは目を閉じた。
「はい、これで良いの?」
何をするつもりだろうか、と思うがナルトはウキウキしているだけで何も教えない。大人しく従えば満足そうな答えが返ってきた。
「うん!後は絶対じっとしててってば!」
あんまりうれしそうな声をするので、かえってカカシは一抹の不安を覚えた。何しろ相手は元里一番の悪戯小僧。初対面の時黒板消しをプレゼントされたことを思い出して、カカシは早まったかなあ、と思う。
(ま、いいけどね)
軽くため息をついたとき、膝の上に荷重を感じた。覚えのある重さだ。気配が間近にある。
(・・・これは目を閉じる意味が無いような・・・)
カカシの膝の上に上ってナルトは何やら戸惑っている。これだけ近いと目を閉じていても気配で丸分かりだ。
不意に手を持ち上げられた。指先に暖かい物が触れる。
(・・・・・・・)
さすがは意外性No1。予想だにしなかった。
今のは間違いなくナルトの唇だ。
続いて残りの指先にも全て暖かい物が降りてくる。
それが済んだら心臓の上。服越しではあったがその程度はわかる。
次に首筋。柔らかい髪がくすぐったい。
それから頬。額。右目にキスして、それから少し戸惑った後左目へも。
一つ一つ確かめるように、丁寧に口付けられる。
触れられるたびにそこから暖かい物が流れ込んでくるような気がして、カカシは大人しくその感覚を受け入れた。
カカシの唇を震える指先が撫でる。わずかに口を開けてやれば、小さな指先が慌てたように大きく震えた。
「・・・・・・」
無言の問いかけが伝わる。だが、カカシはそれに答える余裕は無かった。
(見たい)
いったい、どんな顔をして今ナルトは自分にキスしているのか。
どんな表情をして、どんな瞳で。
後少しで五分。そうすれば。
「・・・・!」
意を決したのかナルトが大きく深呼吸をする。直後、カカシの唇にぎゅっと暖かい物を押しつけられた。
視界の隅で金色の髪が揺れる。
(・・・・・・・)
目を、開けてしまった。
カカシの胸元を引き寄せて、顔を真っ赤にして、力一杯目を閉じて。押しつけるだけの幼いキス。
なのに不覚にも。
(・・・しまった)
柄にもなく頬に朱が上るのがわかる。約束の五分が過ぎるまで後わずか。
時計の秒針がその時を指す。そうしたら、そっと抱きしめて優しく囁いて。

「ね、オレの欲しい物もくれる?」
もっといっぱいキスをしよう。


*******

あ、あほくさ!!かなり初期のつもりで書きました。の割には一緒に住んでますね・・・不思議です(バカ)。状況的にはうず亭にある「キスキスキス」のちょっくら前くらいの話と言うことで。あ〜、かゆかった。


小此木 蘇芳 |HomePage