地徊営業日誌
目次|書きすてたもの|未定なもの
寒いです。えらく寒いです。なのに白い息を吐きつつ外でモスの席が空くのを待っていたのは私です。テリヤキチキンバーガーが食べたかったんです・・・。
寒いですよ↓
***雪が降った日***
天から降ってきた真っ白いものに、ナルトは歓声を上げた。手を伸ばしそれを掴もうと努力する。 「センセー、取れないってば」 「そりゃ雪だからねえ」 ナルトの奮闘を見ながら、カカシが目を細めた。細まった目の奥にあるのは優しい光。 「雪は人の体温で溶けちゃうから」 「でも」 「決して掴めはしないよ」 それでも欲しい、とナルトが頬を膨らませる。うん、とカカシは頷いた。 「じゃあ死んでみる?ナルト」 そうしたら体温なくなって掴めるかも。 カカシの答えにナルトは少し沈黙し、それから小首を傾げた。 「でもさ、先生。それじゃ雪がどんなのかわかんないってば」 天から降る雪は激しさを増す。だがこの程度ではつもらないだろう。もっと、冷たく凍えるような日でなくては。 「そうだね」 カカシは頷いた。肯き、ため息ととも天を見上げた。 「それじゃつまんないね」 天を見上げるカカシにナルトが首を傾げる。何事かを考え、ナルトはカカシの手を取った。 「あのさ、これがオレの手」 カカシよりも体温の高いナルトの手がカカシの手を包む。 「オレの手はまだ暖かいってばよ?」 カカシはその手を振り払わなかった。受け入れはしなかった。 「大丈夫。オレってば強いし」 少し常人よりも体温の低いカカシの手を暖めるように、両手でナルトはカカシの左手を包んだ。 「ちゃんと自分のことは自分でケリつけるから」 カカシは天を見つめる。雪は降る。 「だから・・・泣かないで、カカシ先生」 つもることはないと解っていても雪は降る。この想いも。 「大丈夫だよ。オレは泣かない」 カカシの言葉に、ナルトは微笑んだ。 「うん、わかってるってば」 もっと凍えれば良いのに、と思う。そうすれば、このまま二人何もかも凍り付かせて終われるかもしれない。 だが、人の温度は雪をたやすく溶かして凍り付くことを許さない。 「だからーーー泣かないで」 どれほど請い願っても、その日は来てしまうけど。
雪は結局積もることなく消えていった。
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あり・・・?
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