地徊営業日誌
目次書きすてたもの未定なもの


2001年11月09日(金) 天高く馬肥える秋

だったなあ、ほんとにこんちくしょう!!と己の腹を見て叫ぶ日々ですv
ひとまず昨日のショックよりはだいぶ回復。コピーとっててくれてありがとう、風乃!!トーンがなかろうがこの際どうでもよいわ!!

のでカカナルオンリー「二人のビッグショー」ではやっとでカカナル本が出せます。ふう。遊びに来られる方、よかったらかまってやって下さいv



***君の手 〜再見〜 **

「お?」
「え!?」
とある町のとある場所にて久方ぶりに会った元同僚同士。現上忍アンド抜け忍。場面は当然緊迫するはずであったが。
カカシの背後からひょっこりとナルトが顔を出した。
「あ、アスマセンセーに紅センセーだ!お久しぶりですってばよ」
にこにこ。緊張感の欠片もなくナルトが笑って頭を下げる。紅が頭を抱えた。
「・・・あのね、ナルト君?あなた自分の立場が・・・」
「おー、ちびっこいのも一緒か。元気してたか?」
「チビ言うな!!」
「誰が一緒に居ると思ってんだよ。元気に決まってるだろ、このクマ」
だが男3人は呑気に再会を楽しむ。ぴきり、と紅の眉間に青筋が浮いた。
「人の話は聞け。この変態が」
カカシの胸ぐらを掴んで紅が怒鳴りつける。カカシが明後日を見た。
「クマに惚れるような趣味の悪い人に言われたくありませ〜ん」
「なんですってぇぇぇぇ」
ピキピキピキ。紅の血管が音を立てて増える。アスマとナルトはそんな二人を遠くから見つめた。
「・・・・・場所変えるか」
「・・・・・二人ともめちゃくちゃ目立ってるってば」
忍びという生物は隠密行動を旨とするはずである。紅の殺気に周囲の一般人が怯えて逃げ出し始めた。


どん!!とカップがテーブルに叩き付けられる。
「で、どういうつもりなのよ、あんた!!」
座った目が怖い。紅の眼光を物ともせず、呑気にカカシは答えた。
「だっていちゃつきたかったんだもん」
「・・・・・・・良い根性ね」
ふ、ふふふ。紅の口から低い笑い声が漏れる。あのさ、とナルトがうれしそうに声を上げた。
「オレってばオレってば火山見たの!!すっげえきれいだった!!他にも変な生き物とかいっぱい見たってばよ!今度海で泳ぐんだ〜」
「そうか、楽しいか」
「うん!!」
苦悩する紅を余所にアスマとナルトがほのぼの親子劇場を繰り広げる。咄嗟にカカシがナルトをアスマから取り上げた。
「触るんじゃないよ、クマ。それよりお前ら任務行かなくて良いわけ?」
カカシの言葉に紅が大きなため息をつく。
「・・・だからアンタはちょっとは立場って物を・・・」
考えなさい、と言おうとした紅をアスマが制した。に、と人の悪い笑みを浮かべると、アスマはナルトの頭を撫でた。
「さすがにもういかねえとまずいな。じゃな、ちっこういの。牛乳飲めよ?」
「ちょ、アスマ!!」
慌てて紅が叫ぶが、アスマもカカシもナルトも気にしない。挨拶を交わしカカシとナルトが立ち去る。去り際、二人は振り返って笑った。
「またね、先生達」
カカシは何も言わなかったが、ナルトはにっこりと笑ってそう告げた。二人の背中が人混みに紛れて消えるのを、呆然と紅が見送る。
小さな手と大きな手はしっかりと繋がれていた。
やがて二人の姿が見えなくなると、紅は疲れ果てたようにイスに腰を下ろした。
「・・・どういうつもりなの、アスマ」
抜け忍は何を置いても狩るべき相手だ。確かに今は重要任務中だが、こんな風になれ合って良いはずがなかった。ぽりぽり、とアスマはこめかみを掻いた。
「いいんじゃねえの?幸せそうだし」
「そういう問題じゃないでしょう!?」
思わず声を荒げ、慌てて紅は己の口を押さえた。アスマが苦笑する。
「じゃ今から追いかけてくか?いっとくけどオレとお前二人じゃ今のあの二人には勝てねえぞ」
わかってるんだろう?アスマの言葉に紅が唇を噛む。アスマは懐からタバコを取り出すと深く吸い込んだ。
「いいんじゃねえの?それで別に」
きつく紅が拳を握りしめる。何かに耐えるように唇を噛みしめた紅は、次の瞬間勢いよく立ち上がった。
「いきましょう、アスマ。ターゲットが逃げるわ」
「で、どっちだ?」
「決まってるでしょう?私たちの任務は敵の密書を奪うこと。ちんたらしてられないわ」
一気にまくし立てると紅はアスマを置いてさっさと立ち去ってしまった。伝票を握りしめ、やれやれとアスマがため息をつく。
(素直じゃないねえ)
会計をしようと思って懐に手を伸ばしたアスマは、そこにあるはずのないものを見つけた。
「・・・おーい」
これでは冗談ではなく本気であの二人には勝てないかも知れない。懐にいつの間にか入っていたのは、今から奪いにいく予定の密書であった。
「たく、貸しかよ」
嫌みな野郎だぜ、と呟き、アスマは紅にこの事を告げるべく店を出た。


*****

この時アスマの任務が抜け忍追討であった場合、容赦なく戦闘になったと思います。私の中のアスマさんはそう言う人。

だめだ、寝ます。明日か明後日の夜に新婚さんの新しい奴あげます〜


小此木 蘇芳 |HomePage