Movin'on without you
mako



 蜘蛛の糸。

もうダメだ、と、
ハッキリと気がついたのは
たしか、真夜中の出来事。

おなかの真ん中らへんの
いちばん、芯みたいな部分が
はっきりと自己主張してくる瞬間が
あたしの人生には数度だけ、あって、
懐かしすぎる痛みに
絶望すらしました。

こうなるともう、
自力で止めることなんてできない。
いや、今なら、
もしかして今なら、止められるの?

こうは、なりたくなかったんです。
なることなんて
どうなったって無いと思っていた。

誰がどう見たって
魅力的すぎるあなたの
殻の外側に、ほんの少し触れたって
重力に逆らえないとか
単純すぎやしませんか。

蜘蛛の糸みたいに
天上から垂れ下がってきた一筋の糸を
掴んでしまうなんて
安直すぎやしませんか。

2023年03月29日(水)
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