 |
 |
■■■
■■
■ あの人の涙。
あの人が、泣いた。
あたしは彼の涙を まだ一度も、見たことがない。
親しい人が亡くなったという知らせを聞いて 思わず彼が泣いたというのを 聞いたのは今朝のこと。
人づてにその話を聞いたとき あたしは、何も知らずに 昨日、彼に笑いかけてしまった自分を責めた。
昨日、無邪気に彼の前ではしゃいだ自分が嫌になった。
何も知らなかったから仕方ない、と 自分に言い訳をしながら だけどその罪がものすごく重大な気がして
―――ごめんなさい。
何もいえなくなってしまった。
明日会って でもあたしは彼に話しかけられないと思う。
たぶん、そうだと思う。
ずっと、あたしからは話せない気がする。
いつになったら いつもの彼に戻るかな。
あたしは彼の涙を 見たことがありません。
少し悔しくて せつなくて
後悔の気持ちと。
そんなことにあたしも泣けた。
2002年04月22日(月)
|
|
 |