番長のコラム

2003年08月08日(金) さらば親父

 朝を迎える。いよいよ葬儀当日。ついさっきまで飲んでいたから体がだるいし、寝不足だし。こんなことじゃあ親父に怒られる。そういえばここずっと親父に怒られることはなかったなぁ。この前怒られたのはいつのことか・・・。

 そうこうしているうちに葬儀本番。お坊さんがお経を唱え、焼香をする。やはりここまでと感情がこみ上げる。こらえねば。

 親族挨拶を終え、最後に棺の中の親父に別れを告げた。弟家族は、夫婦と子供の写真を入れ、妻は、われわれの結婚式の写真と、新婚旅行のときの写真、そして、そっと手紙を忍ばせていた。我妻は、1ヶ月前に結婚してから、とうとう1度も親父と一緒に自宅で過ごすことはなかった。
 そして私は、こみ上げるものをこらえきれなくなった。誰がどうしようともこらえることはできなかった。ただただ涙。それ以外何もない。

 霊柩車に乗り火葬場へ。棺とともに告別室へ。ここでいよいよ本当のお別れ。いろいろな思いが脳裏を過ぎる。だが、今できることは手を合わせることだけ。

  「さらば、親父。」

 炉の中へ親父が吸い込まれる。

 「合掌。」その声だけがこだまする。私も精一杯手を合わせ、合掌するのみだった。

 1時間と少しで収骨へ。1時間半くらいはかかるといわれていたが、なくなる間際にはすでに骨と皮だけになっていた親父。焼けるのも早い・・・。
 炉の中から親父が出てくる。立派な骨だ。若くして亡くなったせいだろう。なぜかこの期に及んで、息子として誇らしくも思う。頭もしっかり残っていたし、足などの骨もしっかりしている。そして何より仏様が立派なものだった。用意してあった箱の中にぎりぎり納まったくらいで、しっかり仏様が合掌している形で収めることができた。

 葬儀場へ親父とともに戻り、初七日、会食を済ませ、すべて終了。ここまでのことがあっという間に過ぎた気がする。本当にあっけない。

 親父とともに自宅へ帰る。祭壇に祭り、一緒に食事を取る。待てよ、よくよく考えてみれば、親父と別れを告げたといっても、また一緒に帰ってきた。ということは、確かに親父の肉体はもうこの世にはないが、親父そのものはまた家に帰ってきていて、今までと変わりないじゃないか。初めてそう感じた。そう思ったら何か少し気分が楽になった気がした。


 < 過去  INDEX  未来 >


番長@おやじ [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加