前潟都窪の日記

2004年08月27日(金) 【ピラミッドの国の五千年の歴史・・エジプト� �

エジプトの旅 カイロ、ルクソール、アッスワン、アルシンベル
       2001年1月17日〜1月23日

 エジプト観光はカイロ西南郊外のギザ地区のピラミッド群から始まった。これらのピラミッドの中の一つはライトアップされて昨夜もホテルの窓から幻想的な姿を眺めることができたが、近くまで行って自然光のもとで観察するとまた格別の趣と感慨がある。とにかく雄大である。エジプトといえば直ちに連想するくらい有名なピラミッドを、今目前に四千六百年前に作られたものとして直視していると、積み重ねられた時の流れの膨大な長さに比べ、人の一生のあまりの短さを思い感無量であった。

 このギザ地区にあるピラミッドは北から南へ第一ピラミッド、第二ピラミッド、第三ピラミッドと斜めに並んでいてお互いに太陽を遮ることがないように配慮されている。順番に第四王朝のクフ王、カフラー王、メンカウラー王のミイラを収めていたものである。そしてメンカウラー王の第三ピラミッドには更に三つの小さなピラミッドが南側に並んで配置されていて王妃のミイラが葬られていたという。

 中で最大規模を誇るのがクフ王の第一ピラミッドで高さ約135m、底辺約227m、約2トン半の石を230万個積み上げているといわれるヘロドドスによれば、建造に要した日数は毎年十万人が三カ月働き、20年間を要したといわれ、その規模の大きさは古代エジプト王の権力の偉大さを如実に示し、今から約4600年前の土木工学の発達が比類ないものであったことを証明している。

 これらのピラミッドは「太陽神ラー」への捧げ物であると同時に死者の来世における永遠の生即ち霊魂不滅に対する信仰を表しているものと考えられており、古代エジプト人の死生観に思いを致し、暫く飽きることもなく呆然と眺めていた。

 クフ王のピラミッドから約350mのところに大きなスフィンクスがある。全長73mで頭部は人間、体はライオンの巨像である。その顔はクフ王の顔を模しているといわれ、墓守をしていると考えられている。過去に何回も砂漠の砂に埋没したのを掘り起こされた経歴をもっているだけにかなり破損していて顔面等も傷んでいるのが痛々しい。

 メンカウラー王のピラミッドの玄室の中へは一般観光客も入ることができるので、入場して見学したが発見された埋葬物の大半のものはカイロ考古学博物館や大英博物館に移送して展示されているので、ここではピラミッドの内部がどのような構造になっていたのかを見学するだけであった。

 考古学博物館を見学するためカイロ市内へ向けて高速道路に入った。そこで見た異様な光景は道路の両側に立ち並ぶビル群の屋上に天空へ向かってむき出しの鉄筋が伸びていることであった。あたかも建設ラッシュの如き感を呈している。ガイドに聞いてみると将来の増設を見越してこのように鉄筋がむき出しにしてあるのだという。いわれて子細に観察するとなるほど古ぼけた建物もある。都会の機能美という観点からみればいかにも無粋な光景であった。高速道路沿いの建物群は先ず田畑の中に道路が出来てそれを追いかけるようにして建物が無秩序に次々に建てられたという感じである。その後カイロ市内の通りをあちこち駆けめぐってバスの中から観察した限りでは、カイロの町は無秩序に自然発生的に大きくなった町で一言で表現すれば、汚い町であるとの印象につきる。

 カイロの考古学博物館には古代エジプト第18王朝のツータンカーメン王(前1346〜1336年在位) の財宝が至宝として収蔵されているが、他にクフ王、カフラー王の座像やトトメス三世の遺品、ラムセス二世の数多くの像等貴重な収蔵品も豊富である。ツータンカーメン王は19才で亡くなった王であるが、珍しく遺品は盗掘にあっておらず多数の財宝が王家の谷の墳墓から発掘された。特に重さ1170kgの黄金製の棺は現存する世界最大の黄金芸術であろうといわれており棺は三重になっていた。そのうちの二つがこの博物館に収蔵展示されていて残りの一つは王家の谷の同王の墓の玄室に保管展示されている。

 夜は光と音のショーが三つのピラミッドとスフィンクスを舞台に演じられるのを見学した。暗い夜空と砂漠の中にライトアップされて幻想的に浮き上がるピラミッドやスフィンクス。それも音と光が緩急、強弱、濃淡、大小いろいろに組み合わされて交錯し、投射される光線束で描かれる横向きの古代エジプト人の顔模様や舟などを交えながら、ピラミッドとスフィンクスを映し出していくのである。時に暗闇に姿が消え時に現れる。その間合いが英語のナレーションとともに見事である。この素晴らしい光と音のショーは京都の大文字焼きがヒントになっているのではないかな等と考えながら鑑賞した翌朝、カイロから遺跡の宝庫ルクソールまで飛んだ。


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