前潟都窪の日記

2004年08月25日(水) 【野性動物の王国とマサイ族の原始生活探訪・・ケニア� �

ケニアの旅 ナイロビ、アバーディア、ナクル国立公園、マサイマラ
                 1999年6月15日〜6月24日

 アフリカは日本にとってまだまだ遠い国である。アフリカに入る直行便は数が非常に少ないので、今回のケニヤ周遊の旅は、乗り継ぎのため深夜にシンガポール・チャンギ空港で、4時間もの時間待ちをするという忍耐で始まった。シンガポールからアラブ首長国連邦のドバイまで飛び、ここで更に9時間の時間待ちをしてから、再度乗り換えてナイロビへ向かわなければならないのである。

 アラブ首長国連邦のエミレーツ航空のステュワーデスは、国際色豊かである。概ねブロンドで白色の肌をした美人揃いである。回教の戒律がなさしむるところなのであろうか、アラブの女性は人前で接客サービスをする習慣がないらしく、異国人ステュワーデスだけでクルーを編成しているのである。イギリス、ベルギー、フランス、チュニジア、ドイツなどとそれぞれに国籍の異なる美人達が妍を競っている観があって乗客の目を楽しませてくれる。

 17時55分ケニア空港着。道中二日かかってやっとケニヤの首都ナイロビへ到着し、ホテルへ入ると夕食後直ちに久しぶりの安眠を貪った。

 翌朝五時半には目が覚めた。窓の外を眺めるとまだ薄暗いが既に出勤の人々がしきりに歩いているのが目に入る。車と人の流れが次第に勢いを増していく。車の流れを縫うようにして人々が道路を横切って行く。それが実にスムーズなのだ。そして人々は皆一様に長袖を着ているし、自転車が殆ど見られないのが意外だ。こうした朝の出勤風景を眺めているとロスアンジェルスと上海の出勤風景の対比を思い出していた。前者は車ばかりで歩いている人が皆無なのに後者では自転車の大群と歩行者の流れに数えるほど少数の車であった。ここナイロビでは歩行者と車の混在という姿である。そしてなによりの違いは人々の肌が黒く頭髪が縮れていることである。それにしても赤道から僅か140 km 南に位置している熱帯地方だというのにこの涼しさは一体どういうことだろう。ナイロビは海抜が1700m の高原であるところにその謎解きの鍵があるのだ。今は乾期のため湿度も50パーセントくらいなので殆ど汗をかかない。

食事が済んでからサハリカーに乗り込んで出発。運転手はキクユ族の若いジェームス氏でナイロビに住み、二男一女の妻帯者である。バンツー系の農耕民で豆やとうもろこしを食べるので多少肥満気味である。どことなく泥臭くあか抜けしていないが善良な人柄である。

 ナイロビ市郊外にさしかかると舗装道路に大きな穴が至るところに穿いており、これを避けるために車は蛇行しながら進むので思わず体に力が入ってしまう。やがて舗装されていない草原と森林の道を進むことになるが乾期のためもうもうたる砂塵を巻き上げながらガタゴトと大きく揺れながらの走行が続く。防塵マスクのガーゼがたちまち砂塵で黄色になる。

 途中小休止した民芸品売り場には木彫りの動物の像や石彫りの像と赤色をベースとした派手な色彩の首輪や腕輪などが並んでいる。これ等の民芸品を眺めていると店員が「こんにちは」とにこやかに話しかけてくる。しきりにしつこく勧めてくるのでゆっくり眺めていることもできない。やたらと帽子と交換しようとかボールペンやライターと交換しようと言ってくる。が、これはその品をくれという意味で物々交換しようということではない。

 順調なドライブが続き予定通り、アバーディアにあるロッジ、ザ・アークに到着したが、長時間のがたがた道の走行で腰が痛くなりかけていた。部屋を割当てられて中へ入ると予想していたより設備がいい。早速シャワーで汗と埃を流して観察台のある屋上に行ってみると象の親子が五頭水を飲みに広場へ来ていた。広場には動物用に塩が撒いてある。動物達は種を問わず一様に塩を嘗めにやってくるようだ。生物にとって塩はそれほど大切なものなのであろう。夕食までにブッシュバック、バッファロー、象、小鳥等を観察した。夕食後は部屋へ帰って待機していると珍しい動物が現れた時、枕元のブザーで知らせてくれることになっている。疲れているので手持ちのウイスキーを引っかけてベッドに入ると忽ち寝入ってしまった。

 夜十時半と十二時半の二回だけベルの音に誘われて起きだし観察場へ出掛けた。セーターを着てジャンパーを羽織らなければ寒いくらいだ。ベッドには湯たんぽが入っているほどの冷え込みである。十時半の時には犀を二頭観察した。十二時半の時は手負いの水牛を狙って現れたハイエナの群れを観察した。しばらくの間、池に逃げ込んだ水牛を襲おうとするハイエナと水牛の駆け引きを観察していたが、なかなかけりがつきそうもないのでベッドにはいり、ブザーがならないようにスイッチを切って寝ることにした。

翌朝五時に目が覚めたので観察台へ行くと昨夜の水牛とハイエナの攻防が まだ続いていた。根負けして遂に池から上がった水牛が灌木の向こうへ逃げたのを追ってハイエナ達が姿を消すところまで見届けると丁度朝食の時間となった。

 結局このロッジで観察した動物は象、ブッシュバック、バッファロー、ぶちハイエナ、犀、狒(バブーン)、いぼ猪、ジャッカル等である。



















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