Howdy from Australia
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2005年08月03日(水) keep fingers crossed

ここ二ヶ月ほど打ち込んでいた失敗続きの実験がやっと成功した。先週初めて結果が出て喜んでいたのだが、本日、先輩科学者Sからこれなら次の段階に進んでもいいんじゃないの?と言われ、ほっと胸を撫で下ろす。

これも実験方法などを丁寧に教えてくれた医師兼博士課程研究生Jのお陰。どんな質問にも明確に答える彼にはいつも感心させられる。というか、ごく稀に「それについてはよく知らないんだけれども」と彼が言うのを聞いて、彼にも分からないことがあるのだと分かって、逆に安心するぐらい。

博士課程在籍何年目なのかは正確なところは誰も知らないが、多分かなり長いらしい…。最初、無口で硬い表情という印象があったので、彼が実験の最中にラジオに合わせて歌を歌っていたり、息子さんが一人でトイレに行くことができるようになったと喜んでいる姿を見て、少々驚いた。やっと実験が上手く行ったと彼に伝えると、よかったね!と満面の笑顔で言われて、何だか照れくさかった。

あと、ずっと愚痴を聞いてくれたのが同室の研究員T。彼は実験で失敗して落ち込んでいる人を見ると必ず「それが科学というものだよ!」と慰め、自分がいかにひどい失敗をしてきたか語り始めるという癖がある。この彼の癖に助けられている人間は私以外にもかなりいるようで、落ち込みがひどい場合には、これでも食べて元気だしなよ、と引き出しの中からチョコレートが出てくることもある。

前進したり、後退したり。毎日周囲の人に助けられて仕事をしている。


yumiko |mail

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