嗚呼!米国駐在員。
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2006年07月24日(月) 全英オープンのウッズとハプニング

日曜日は全英オープンを朝からTV観戦。

ドライバーを使わないウッズの手堅いゴルフを堪能。何せドライバーは初日に1度だけで、それが失敗すると2度と使わなかった。ほとんどは2番アイアンであったが、ボールは確実にフェアウェーを捕らえてキープ率は85%を超えてトップ。当たり前のように2打目がグリーンに乗り、チャンスがあればバーディを狙う。ぼやっと見ていると非常にゴルフが簡単なものと錯覚してしまう。ドライバーを使わないウッズがこれだけ怖いとは、新たな発見であった。 日本の谷原は一時4位タイにまで入ったのに、数回だけパットシーンが数秒間だけテレビに映るだけ。まあ世界ランク200位、日本人の自分でも知らない選手なので(調べると日本では賞金ランク3位だそうだが)やむなしか。日本人といえば、最終組ウッズとガルシアの背後でチラッチラッと映っていた坂田と青木功には笑った。日本の中継レポーターでもやっていたのだろうか。

中継を見ていて気に障ったのが、プレーヤーにカメラを向けるギャラリーが多かったこと。そのためにウッズは度々プレーを中断せざるをえなかった。キャディのスティーブが何度も怒鳴り声を上げていた。ウッズはもう慣れっこのようだったが、普通の選手であればショットに大きく影響したに違いない。PGAツアーであれば、入場ゲートで探知機にかけられ、たとえ電源を切るといっても携帯やデジカメの持込は厳禁なのだが、全英オープンというメジャー大会で、どうやらそこまでのセキュリティチェックはされていなかったのが不思議。

最終組18番、ウッズの2打目直前でグリーン脇のギャラリーからは大ブーイング。画面は18番グリーンをアップにしたのだが、なにやらペンキの入ったビンがグリーンに投げられて、ビンは割れてペンキは撒き散らされていた。他にもストーカーが登場したりして、一体セキュリティはどうなっていたのか本当に疑問。アメリカでの過剰対応は気になるけど、せっかくのイベントが台無しになるくらいならば徹底的にやるべきである。









それにしても、勝利を決める18番のパーパットを決めた後のウッズには驚いた。大きなガッツポーズをした後に、いつもの笑顔はない。キャディのスティーブと抱き合ったまま、しばらく号泣。驚いた。ウッズの中で如何に5月に亡くなった父親の存在が大きかったかが分かる。父を亡くしてからの全米オープンは、ショックから予選落ち、素人目には順調に手堅く優勝したように見える今回の全英も、実はラウンド中は不安で一杯だったのかもしれない。ウッズほど「勝ち慣れる」と、どうやってモチベーションを保つのか一般人としては不思議に思うのだが、超一流アスリートにとってはそんな愚問は気にしたこともないのであろう。










Kyosuke