嗚呼!米国駐在員。
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2006年06月19日(月) 出張者からの困った依頼

週末はどんよりとした天気。
土曜はゴルフをしたが、日曜は雨。
天気と同じで、スポーツを見ても今ひとつ面白い事がなかった。USオープンはタイガーの予選落ちで盛り上がりも今ひとつだったし、ワールドカップの日本戦は引き分け。勝たなくちゃならない試合なのに、素人目に見るとフォワードはシュートしようとしないように見えてもどかしい。イチローは18試合連続でヒットを打っているのに、メディアからは、またヒット量産、もう飽きた、と失笑されている。


夏になると、日本からの出張者が増える。
訪問先アポ、ホテル、食事、空港送迎等のスケジュール調整は差しさわりがないのだが、「この1日が空いちゃったから、どっか適当に連れて行って」という要望が一番困る。この場合、「どっか」というのは、もちろんどこかの企業である。日本の出張者は出張申請なるものを社内で提出せねばならないので、見栄えのいい申請書を作るには、取引先及びポテンシャルのある企業でビッチリと予定を埋めておきたいのである。「ゴルフと観光」という本音は、絶対に申請書には書けないのである。

といっても、広いアメリカでそうそう簡単に都合のいい取引先が土壇場に見つかるわけがない。
特に米系企業は、アポイント時には、何しに来るのか?というAgendaが非常に重要視されるので、忙しい合間に時間つぶしに来られた日本人を相手にはしてくれない。そこで、「表敬訪問」「御挨拶」の文化がある日系企業を回り、当たり障りのない会話と日本の情報交換(仕事以外)などを適当にして、時間をつぶすことになる。何の事はない、相手の会社も困った時にはこちらに来るので、日本の現地法人同士、持ちつ持たれつの関係である。ただ、これはあまり多くなると、アイツラは用もなく来やがって、となってしまうから注意が必要だ。

もしくは米系企業に突入する場合もある。しかし、もちろん特に盛り上がりもなく「じゃあ担当に伝えておくから」とアメ人にあっさり締められてわずか30分で訪問先を後にする事になる。出張者がお偉いの場合、こんな米系企業特有の対応を見て、内心は失礼な、と思ってるのだろうけど、その場では何故かサンキュウサンキュウとJapaneseスマイル丸出しで感謝してしまう。そのくせ、後からアレンジが悪いだの、これじゃ何しに行ったのか分からないだの、フォローして報告せよ、だのとうるさいので、米系企業も困る。

よって、空き日程でのアポを要請された場合、日本を発つ前には適当な米系企業訪問という予定を伝えとりあえずスケジュールを埋めさせ、アメリカ入りしてからドタキャンが入ったという事でお茶を濁してのんびりしていてもらう。これでクレームが出たケースは無し。サラリーマン海外駐在員の「正しいアポの取り方」裏マニュアル。





Kyosuke