加藤のメモ的日記
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2023年09月05日(火) 悲観主義で幸せになる方法

うまくいかないのが当たり前
そう考えればすべてうまくいく

失敗の味わい深さを知る
人生はままならない。うまくいくことや成功なんて、長い間生きていたとしても、数えるほどしか経験できない。だがそれでもいいではないか、一ツ橋ビジネススクール教授の橋本健氏(58歳)が語る。

「皆さんが薄々感じているように、世の中は決して甘くありません。もっと言えば、うまくいくことなんてこの世に一つも存在しないのです。だからといって人生に絶望しろというわけではありません。あらゆることに『うまくいかないだろうな』と考えていれば、ダメもとで何事にも気負わず取り組めるようになり、たまの成功を大いに喜ぶことができるようになるのです。こう考えることを僕は『絶対悲観主義』と名付けています」

成功より失敗の仕方に慣れておくほうが人生はうまくいく。橋本氏のこの考えが紹介された著書『絶対悲観主義』が今話題となっている。橋本氏が続ける。「趣味と仕事は違いますよね。趣味は徹頭徹尾自分のためにやることで、自分が楽しければそれでいい。一方の仕事は『誰かのためにすること』です。イーロン・マスクさんでさえ、お客にテスラの車を無理やり買わせることはできません。仕事である以上、絶対に自分の思い通りにはならないと僕は割り切っています。

何も自分に厳しいわけではありません。僕は他人には割と甘いタイプだと思いますが、自分にはもっと甘いタイプです。成功しなければいけないという呪縛から自分を解放しているのです。橋本氏は仕事でうまくいかないことがあったら、駐車場に戻り「そうは問屋がおろさないか…」と呟いている。こう口に出してみると、失敗にも味わい深さがあり、むしろ失敗を楽しめるのだという。

絶対悲観主義の思想を実践することで、晴れ晴れとした気持ちで毎日を送ることができている人は橋本氏だけではない。特に苦難に襲われた時にこそ、絶対悲観主義の考えは真価を発揮する。キリンビールで副社長を務めた田村潤氏(72歳)が振り返る。

「キリンビールに入社後、私は本社の営業企画部長代理にまで昇進しました。しかし、上司の命令に従わなかったことで、1995年、45歳の時に左遷を言いわたれたのです」田村氏に告げられたのは、当時の全国の営業所の中で売り上げが最低クラスだった高知支店の支店長という辞令だった。本社の花形ポストから「お荷物」と揶揄されていた支店への移動は、田村氏を動揺させた。

「自分が意識しないようにしていても、『田村はこれで終わった』という周囲からの声が耳に入ってきます。実際に、



週刊現代
11.12 P142


加藤  |MAIL