加藤のメモ的日記
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2015年12月08日(火) 疑惑の物件41件

横浜市都筑区のマンション傾斜問題で、旭化成は22日、くい打ち工事のデータを改ざんした子会社「旭化成建材」(東京)が過去約10年間にくい打ちを請け負った件数が3040件あると国土交通省に報告し、同省で記者会見した。都築区のマンションのくい打ち工事で報告書を改ざんした「現場代理人」が関わったのは41件で、うち23件は愛知県内の工事だった。旭化成幹部は会見で、「現場代理人はルーズな印象の人物」と話した。

公表された3040件は、2004年1月にくい打ち工事が完了した物件は2004年1月にくい打ち工事が完了した物件以降の約11年間に旭化成建材が関わった工事件数。範囲は和歌山、沖縄を除く45都道府県にわたった。建物の用途はマンションなどの集合住宅696件、学校342件、医療・福祉施設257件など。3040件について、現時点で傾いているという不具合は確認されていないという。会見では、これまでに都築区のマンション同様のデータ改ざんが確認された物件があるか質問が出たが、解答はなかった。

都築区の工事でデータを改ざんした現場代理人が関わった工事は、9都道府県41件に上った。会見で旭化成側は、この現場代理人は以前は中部地方の会社に勤務していたと説明。41県の内訳では、愛知23県、岐阜6県、三重5県と東海地方が中心だった。旭化成側の説明では、この現場代理人は「くい打ち工事で10年以上のキャリアを持つベテラン」という。2〜3年前からは、くい打ち工事に関わっていないとも話した。この代理人について、旭化成建材の先取締り執行役員は「物言いや振る舞いがルーズな印象。事務処理が苦手そう」と明かした。旭化成は3040件のうち、代理人が関わった41件を最優先に調べるとしている。

横浜市での問題発覚後、石井国交相が概要を報告するように指示。国交相への報告後、省内で記者会見をした旭化成建材の堺氏は「誠に申し訳ありません」と謝罪した。酒井氏は記者会見で「(3040棟のうち)健全な物件がほとんど」と話したが、3040棟について「問題がないとは言い切れない」とも。物件の詳細や、対象建造物への居住者への連絡や説明をしないことの理由についての質問も相次いだ。

旭化成の柿沢執行役員は、「建物については今の段階で名前をお知らせすると迷惑をかけてしまう」と説明。報道陣から「消費者は知りたいと思っている。誠意が感じられない」と、厳しく追及される場面もあった。


『日刊スポーツ』10.23


加藤  |MAIL