加藤のメモ的日記
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2015年12月02日(水) 加齢黄斑変成

進行すると失明の恐れもある加齢黄斑変成。高齢化に伴い増え続けている。「治療法の進歩で視力の改善を目指すことも可能になってきました」と話すのは、東京女子医科大学眼科学講座の飯田智宏教授である。治療法と予防の最新情報とは。

加齢黄斑変成とは、人間の目をカメラにたとえるとそのフィルムにあたるのが網膜である。その中心にある半径3ミリ程度の「黄斑」と呼ばれる部分には、物質を見るのに重要な視細胞が集中している。加齢などでここに障害が起きると、視野の真ん中が歪んだり暗くなったりして、見たいものが見えにくい状態になる。これが加齢黄斑変性という病気である。特に病変が黄斑の中心部に及ぶと、著しく視力が低下する。欧米では失明原因の第一位である。日本でも患者は増え続け、50歳以上の1%以上にみられ、患者数は推定70万人。日本人の失明原因の第4位となっている。

加齢黄斑変性は大きく分けると、黄斑が萎縮する「萎縮型」と網膜の下に新生血管ができる「滲出型」の2種類がある。萎縮型は今のところ有効な治療法が確立していない。日本人に圧倒的に多い滲出型は、ここ10年ほどでレーザーや手術、注射など各種の治療法が開発されてきた。とくに2009年に保険適用となった薬物療法は副作用も少なく、視力の改善につながる治療として多くの場合、最初に選択する治療法となっている。



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