加藤のメモ的日記
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2015年07月06日(月) マイナンバー流出

年金番号より怖い、次はマイナンバー流出

ウィルスメールによる不正アクセスで、約125万件の年金情報が外部に流出した事件が「次なる恐怖」を呼んでいる。情報問題に詳しい坂本まどか弁護士が解説する。「来年の1月から運用されるまいナンバーの流出です。今回の事件を受け、政府は『厳格に管理する』と言っていますが、巧妙化するサイバーテロから漏洩を防ぎきれるとはとうてい思えません。将来的には民間企業にまでマイナンバーの利用を広げようとしている。そうなると流出に歯止めがかからないでしょう」

もしマイナンバーが流出したら、どんなことが起るのか。「マイナンバーが漏洩すれば、そこに緋付く(ひもつく)個人の資産や年収、住所、家族構成などさまざまな個人情報が全て一目瞭然になります。振り込め詐欺などに悪用されるのは火を見るより明らかです。被害の大きさは年金番号の流出とは比べものになりません」(前出の坂本氏)

さらに怖いのは直接、口座からカネを奪われることだ。マイナンバーに詳しい白鵬大学の石村教授が語る。「マイナンバーからの情報をもとに本人になりすまし、ネットで銀行口座を開設して、勝手に預金を移される可能性もある。クレジットカードを偽造され、知らぬ間に多額の負債を負わされることもあり得ます。すでに社会保障番号(マイナンバー)を取り入れているアメリカや韓国では、なりすまし犯罪が極めて深刻な状況にあり、アメリカでは年間の被害総額が5.000億円にものぼります」

マイナンバー流出を防ぐ方法はあるのか。内閣官房社会保障改革担当室に聞くと、「漏洩は想定せざるを得ない。職員が故意に情報尾を漏らした場合には、罰則を設けています」と、なんとも心もとない答えが返ってきた。役所の業務を簡素化するために導入されるまいナンバーだが、そのために国民が負うリスクはあまりにも大きい。



『週刊現代』7.6


加藤  |MAIL