加藤のメモ的日記
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2014年05月24日(土) インフルエンザは熊本だけでは終わらない

今回、熊本に侵入した鳥インフルエンザウィルスは、極めて毒性の強い『N5
N8』亜型。日本初上陸です。韓国で大流行していることから、韓国経由で野鳥が運んできたのではないかと見られています。ヒトへの感染例はまだありませんが、感染した鶏と濃厚な接触を持った場合、体内で変異して新型になる可能性がある。そうなると、ヒトからヒトへの感染が爆発的に増えるという、一番恐ろしい事態が起こりかねない。

一羽でも出ればアウト

頼むからこのまま沈静化してくれ―いま、熊本のみならず、隣県の宮崎や鹿児島の養鶏業者たちは祈るような気持ちで推移を見守っている。だが、現状は厳しいと言わざるを得ない。それは本州、さらには首都圏に住む人間にとっても他人事ではない。アジアや中東から飛んでくる野鳥が鳥インフルエンザウィルスを保有していることは知っています。ですが、それがいつ、どこから入ってきたのかがわからない。カモなのかタカなののか。ネズミが媒介したのか、野鳥の糞にたかったハエが鶏舎にウィルすを運んだのか。根本的なことは何もわかっていない」(B氏)

敵が見えない以上、戦いは終わらない。そして、大量に飼っている鳥のうち、一羽でも鳥インフルエンザにかかれば、その時点でアウト。それゆえ、現場周辺は大きな不安に包まれているのである。3年前、鳥インフルエンザ襲来を警告した鹿児島大学名誉教授の岡本氏が解説する。「去年の春先から夏にかけてアジアで大流行し、多数の死者が出ていたので日本に入ってくるのではと危惧していました。『H5N8』ということは、年末あたりに韓国から入ってきたのではないでしょうか」

熊本の山中で力尽きた渡り鳥の死骸を、ネズミのような肉食の小動物が食べる。そして、この小動物がウィルスを媒介するのだが、渡り鳥と違い、小動物の鶏舎への侵入を防ぐことは、ほぼ不可能だ。歯がゆいのは、発生源であるアジア諸国に手が出せないということ。前出・池田氏は現状をこう表現している。「ガスの元栓は日本にはない」鳥インフルエンザに感染した鶏を素早く発見して、即座に処分するという対症療法しか、日本は取りようがない。この恐怖の病を、根治することを私たちは持っていないのだ。

今回鶏舎が密集していない山中が舞台となったことは、偶然にすぎない。これが密集地で起きたら……。今回のパニックが。熊本だけで終わる根拠は何一つないのである。



『週刊現代』5.3


加藤  |MAIL