加藤のメモ的日記
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NO2張成沢氏処刑 正恩氏親族も容赦せず
北朝鮮は12日、金正恩第一書記の叔父で、同国の実質NO2とみられていた張成沢・元国防副委員長(67)に対する特別軍事裁判を開き「国家転覆の陰謀行為」を理由に死刑判決を下した。張氏は直ちに処刑された。8日の全役職解任からわずか4日後の執行。北朝鮮の歴史上、最高指導者の親族を処刑した例はない。識者は「金第一書記が、体制固めを図るための恐怖政治だ」と指摘する。
裁判後に即執行 機関銃で射殺か 解任から4日後
北朝鮮が死刑執行を公にするのは極めて異例。韓国の情報機関によると張氏は、最近処刑された側近2人と同じく、機関銃によって射殺されたと推察されるとした。判決内容などを伝えた朝鮮中央通信によると、張氏は自ら政権を担う野心を以前から抱き、2011年12月の金正恩総書記死去を契機に工作を本格化。側近グループを要職に引き入れ、自ら「神聖不可侵な存在」として君臨した。
同通信は、張氏が審理で「クーデター」画策を認めたとしている。朝鮮労働党機関誌「労働新聞」は、法廷で手錠をかけられ張氏の写真を掲載した。北朝鮮の国営メディアは「犬にも劣る見下げ果てた人間のクズの張」「卑劣な手段を使い、国家転覆を謀った」などとする公式文書を読み上げ、秘密口座から約6億6000万円を引き出してカジノで散財したり、資金作りのための汚職やポルノ写真の配布に手を染めていたなどと断罪した。
張氏は1970年代に金正日総書記の実妹金慶喜朝鮮労働党政治局員と結婚。2010年6月、国防副委員長に昇格。2011年12月の金総書記の葬儀では、金第一書記の真後ろに寄り添い、後見人としての存在感を見せつけていた。金正日主席から3代続く北朝鮮の体制は、政敵への粛正などにより維持されてきたが、親戚を処刑した例は過去にない。金総書記の死去から17日で2年となるのを前に、金第一書記が態勢強化を図ったとみられ、張氏の周辺にも静粛の嵐が吹き荒れそうだ。
平岩関西大学教授(現代朝鮮論)は「遊園地をつくるなどのフレンドリーなイメージで売っていた金第一書記だが、別の核ができることを恐れたのは間違いなく、だからこそ徹底的にやったのだろう」と話す。小比木九州大学教授(現代韓国朝鮮論)は「軟禁するか処刑するかで引き締まり方が違う。一種の恐怖政治で独裁づくりは最終段階に近い」と指摘している。
強まる軍部の力
北朝鮮は果たしてどこへ向かおうとしているのか。コリアレポート編集長の辺真一氏は、「金正恩に張成沢の処刑を判断させたのは軍部だ。今後は軍部の発言力が高まっていく。よって、核問題や拉致問題などの交渉は難しくなる」と指摘した。北朝鮮は昨年12月、人工衛星と称して事実上の長距離弾道ミサイルを発射した。辺氏は「来年に再び発射する可能性が高い。6カ国協議をめぐって米朝の綱引きが続いているが、軍部の発言力が高まることで、北朝鮮は強硬な態度に出るだろう」と説明している。
側近中の側近だった張氏が処刑されたことで、「誰も金正恩に進言や提言をしなくなる。金正恩は暴走するだろう。何をするかわからない」とも。今後の北朝鮮の不気味な動向に警笛を鳴らした。
『スポーツニッポン』12.24
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