加藤のメモ的日記
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2013年10月09日(水) 鳩山由紀夫

害鳥・鳩山は「運命の馬鹿」だった

民主党「A級戦犯」法廷

動物生態学者、コンラート・ローレンツの著書『ソロモンの指環』によると、平和の象徴とされる鳩は実は非常に残忍で、仲間内で攻撃を始めると抑制が利かないのだという。民主党政権の初代首相の栄誉を担い、この政党の無能と愚かさを見事なまでに体現した鳩山由紀夫氏もまた、日本に仇なす害鳥だった。鳩山氏の破壊衝動と、攻撃性は政界引退後もとどまるところを知らない。最近はあり余る資産を元手に「東アジア共同体研究所」を立ち上げて自ら理事長に就任し、あちこち飛び回っては糞害をまき散らしている。

韓国の中央日報によると、鳩山氏は5月30日、韓国・済州島で開かれた『平和と繁栄のための最終フォーラム2013』でこんな基調演説を行ない安倍政権を批判した。「元首相として、現安倍政権が歴史の最も重要な教訓を忠実に学んだのか、疑問を持って深く憂慮している」「米国でさえ、日本がアジアを戦争へと推し進めようとする意図があるのではないかとの強い憂慮を露わにした」

もとより、鳩山氏が、「歴史の教訓」や「米国の憂慮」を本当に理解しているとは思えない。だが、それはさておいても元首相の肩書を引っ提げ、日本を勝手に敵視している隣国へとのこのこ出かけ、相手に迎合しして日本を貶める発言を繰り返しているのである。「久しぶりに頭の中に『国賊』という言葉がよぎった」小野寺防衛省は今年1月、北京で中国要人と会談した鳩山氏が沖縄県・尖閣諸島は日中韓の係争地だと述べたことについて、こう吐き捨てた。政府は「日中間に領土問題は存在しない」との公式見解を取ってきたのに、「中国はこれで、係争地があると世界に宣伝し、国際世論を作られてしまう」(小野寺氏)からである。

普通、閣僚が元首相を「国族」呼ばわりすれば「大失言」とされて政治問題化するものだが、この時メディアも、民主党をはじめとする野党もほとんど騒ごうとしなかった。誰もが内心、鳩山氏のことを「そう思われても仕方がない。むしろ当然だ」と思っているからだろう。

鴨がネギを背負ってきた

鳩山氏が民主党の外交担当最高顧問を務めていた、昨年4月には、鳩山氏は核開発疑惑をめぐって政府が欧米諸国と協調して制裁圧力を強めていたイランに乗り込み、日米間に緊張を走らせた。「鳩山さんなら、何をやっても『アホー』で済む」当時の外務省政務三役の一人は、記者団にこうせせら笑ってみせたが、それで済む筈がない。鳩山氏は「鴨がネギを背負ってきた」とばかりに、欧米の足並みを乱したいイランの格好の宣伝工作材料となった。

民主党の岡田前副総理は、昨年11月の民放番組で、鳩山氏、菅直人氏、野田市と三代の首相に仕えて「一番大変だったことは何か」と聞かれ、こう笑いながら語っていたという。「鳩山さんとは、コミュニケーションがうまく取れなかった。野田さんは安定しているし、こちらが何か振り回されるとか、そういうことは全くない」鳩山内閣の外相だった岡田氏が、「宇宙人とは意思疎通できなかったし、振り回された」と暗に言っているのである。国民にとっては全く笑えない話だ。

鳩山内閣発足当時、外務省幹部は鳩山氏の東アジア共同体構想について、「鳩山さんからも岡田さんからも、説明を聞いたことがない。米国や諸外国に中身を聞かれて困っている」とこぼしていた。何のことはない。そもそも鳩山、岡田両氏の間でも認識は共有されていなかったのだ。わずか八ヶ月余りとはいえ、こんな危険人物が現実に日本のトップだったのである。知らないうちに日本は存亡の危機に立たされていたのではないか。

「自民党は、民主党政権の外交を『外交敗北』というが、それは違う。鳩山、菅直人時代はともかく、野田外交はきちんとしていた」野田内閣の閣僚の一人はこう強調する。だが、こんな言い分が世間に通るだろうか。仮に鳩山、菅両氏が開けた外交上の大穴を野田氏が多少塞いだとしても、胸を張れた話ではない。民主党議員は、鳩山氏のような人物をリーダーとして首相にまで押し上げたことをもっと反省すべきである。

民主党に決定的に足りないのは、この自らを客観的に評価し、悪いところは反省して改める能力だ。民主党が今年5月、衆院選大敗から半年近く経って公開大反省会を開いた際、自民党の石破幹事長はこうあきれた様子だった。「自民党はもう平成21年月の総選挙で惨敗したときから、大反省会だった。民主党は何で今頃やるんだろうね」

政治記者も不見識だった

ただ、公正を期すために付け加えれば、4年前の衆院選で民主党を大勝させ、鳩山氏を首相にした責任はメディアにも大いにある。政権交代が目に見えていた頃の『文芸春秋』の特集「これが日本最強内閣だ」によると、アンケートに答えた政治部記者84人が選んだ最強内閣にふさわしい人物は、当時、民主党幹事長だった鳩山氏がトップだった(12票)。政治部記者であれば、鳩山氏の発言が普段から常軌を逸しているうえにコロコロ変わり、朝述べたことと夕方言うことが全く違うことなど、十分承知していたはずだ。にもかかわらず、民主党へと草木もなびいた時流に阿り(おもねり)、鳩山氏を評価してみせるとはみっともない。

また、同じ特集で政治ジャーナリストの岩見隆太氏は、首相にふさわしい人物になんと鳩山氏を推し、その理由をこう書いていた。「今求められているのは、自身のことは横において、構想力と決断力を発揮する能力と勇気を備えている政治家です。その基準で選びました」岩見氏が鳩山氏に何を見て、何を期待したのかは不得要領だが、ともあれ鳩山氏の「能力と勇気」とは一体何だったのか。米軍普天間飛行場移設先は「最低でも(沖縄)県外」「トラスト・ミー」「移設先の腹案がある」……などと口走った挙げ句、最後に「国民が聞く耳を持たなくなってきた」と責任転嫁して放りだすことだろうか。

鳩山氏にかって普天間飛行場の県外移設を進言し、現在は東アジア共同体研究理事を務める元外務省法局長の孫崎氏は最近、講演などで鳩山氏の「明晰さ」を強調している。鳩山氏は確かに東大卒、スタンフォード大学博士課程修了という学歴は文句のつけようがなく、記憶力や理解力は優れていたのだろう。ただ、それとリーダーに必要な事の軽重と真贋を見抜き、優先順位をつける判断力、分別があるかは別の話だ。

フランス・モラリスト文学の最高峰とされるラ・ロシュフコーは「頭のいい馬鹿ほど、はた迷惑な馬鹿はいない」と喝破し、こうも指摘している。「世には馬鹿たるべく定められた人がいて、彼ら自身が進んで馬鹿なことをするだけでなく、運命そのものがいやおうなしに彼らに馬鹿なことをさせるのである」国民は、一生のうちそう何度もお目にかかれない「運命の馬鹿」に出会って巻き込まれ、彼が必然的に仕出かす数々の「馬鹿」に翻弄されてきたといえよう。



『週刊文春』6.13 産経新聞 阿比留瑠比(あひるるい) 


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