加藤のメモ的日記
DiaryINDEXpastwill


2013年09月30日(月) ダダ漏れの原発汚染水

ダダ漏れの原発汚染水・世界はこんなに怒っている

福島の放射能汚染水の問題は、日本のオリンピック招致に大きな逆風となった。続いてアメリカ軍によるシリアへの空爆問題が、安倍政権のアキレス腱となる懸念が出てきた。世界の声を総特集した。アメリカ人は、福島の正確な情報が少ないことに苛立っているという。米ランド研究所のブルース・ベネットアナリストが、アメリカ人の声を代弁する。

「多くのアメリカ人は、福島原発の問題は、2年前にすでに解決したものと思っていました。そのため、今になって突然、汚染水の問題がクローズアップされて、日本でいったい何が起こっているのかと疑心暗鬼に陥っています。しかし、不安は募るけれども、日本から正確な情報が提供されない。それでまた不安が増幅されるという悪循環です」

ロサンゼルスのTV「KTLA」アンカーマンのフランツ・バックリー氏も続ける。「2年前に東日本大震災が発生した際、私は48時間以内に仙台へ赴き、、現地取材にあたりました。正直言って、日本取材は恐怖でした。自分がどれだけ放射能に汚染されるか分からなかったからです。今日本政府に言いたいのは、真実をリアルタイムで伝えてほしいということに尽きます。日本がこれを怠れば、日本国民の信頼を失うのと同時に、世界からの信頼も失うことになります」

ヨーロッパでも、放射能汚染水の問題は、日増しに関心が高まってきている。脱原発を宣言したドイツでは連日、メディアに「フクシマ」の文字が出ない日はない。ドイツを代表するニュース週刊誌『シュビーゲル』は、「今週のフクシマ」のコーナーを毎週設置し、海洋汚染の最新状況から日本政府の対応まで、大量の記事を流している。『南ドイツ新聞』(8月26日付)は、原発問題に関して、安倍政権を痛烈に非難する記事を掲載した。

〈安倍首相は、これだけ世界を震撼させる福島の事故を続けていながら、日本国内の原発をストップさせようとしない。それどころか、原発のセールスマンをやっているのだ。すでにベトナム、トルコ、インド、アラブ首長国連邦などで、日本の原発をセールスして回った〉ドイツで最大部数を誇る高級紙『フランクフルター・アルゲマイネ』元東京支局長のバーバラ氏が語る。

「本当はドイツは連日。フクシマ、フクシマです。ドイツ人からすれば、福島原発問題に関して、日本のあるゆることが信じられないのです。なぜ日本はこれほど危険な状態でいながら原発を止めないのか、なぜ東京電力は、事ここに及んでまだ隠ぺいを続けるのか。なぜ日本政府はもっと早く介入しなかったのか……。中でも一番信じられないのが、これだけの事故を起こしていながら、安倍首相が日本の原発を世界に売ろうとしていることです」

フランスの『ル・モンド』紙は、フランス放射線防護原子力安全研究所のジェローム・ジョリー副所長のインタビューを掲載した。ジョリー副所長は、「もはや、包括的な対策を講じるのは、困難な状況に陥っている」という悲観的な見解を示した。また、イギリスの『ガーディアン』紙も社説で「フクシマの悲劇」を取り上げた。そしてやはり福島に対する悲観的な見解を述べた上で、「我々がフクシマの教訓をEUの原子力政策にどう活かすかが問われている」と論じた。

日本は国際犯罪国家だ

欧米の報道に比べて、アジアはさらに身近な問題として、放射の汚染水問題を捉えている。隣の韓国では、日本批判が沸騰している。『朝鮮日報』は、「福島原発の放射能は増加し、3時間で致死量」との大見出しで、次のように報じた。〈福島原発の放射能流出は、、もはや致命的な水準になってきた。東京電力が9月3日、福島原発の汚染水を観保管しているタンクの放射線量を測定した結果、毎時最大2200マイクロシーベルトが検出された。これは一人当たりの年間被曝許容値の2200倍にあたる。3時間被曝すれば死亡する量なのである〉

韓国与党のセヌリ党も、9月2日に緊急声明を発表した。〈日本は日々300トンの汚染水が太平洋に流れているというのに、対応が後手後手に回っている。我々はもはや日本を信じることができない。日本産の水産物に対しても、不安感でいっぱいであり、韓国政府には、これらを全面的に禁止する措置も考慮するように求める〉韓国の専門家たちも、声を上げ始めた。そのような代表格といえる徐釣烈ソウル大学原子核工学科教授に、本誌が電話をかけると、教授は痛烈な日本批判を展開した。

「今の日本は、”国際犯罪国家”だ。高濃度の汚染水を低濃度にするなどと平気で言っているが、そんなことは科学的に不可能だ。また、これだけ危険な汚染水を日々、海洋に垂れ流ししていながら隣国の勧告に対して、なぜ何の情報も提供しないのか。もし仮に、韓国の原発が同様の事故を起こしたと考えてみてほしい。日本は今の韓国よりも、もっと神経質に騒ぐに違いない。福島の問題はすでに日本だけではなく、国際的な問題なのだ。日本は今後、この問題に関して、一つ一つ国際社会の了解を得ながら進めていくべきだ」

もう一つの隣国・中国も連日、福島報道を続けている。だが、どのメディアも事実を淡々と伝えており、韓国のようなヒステリックな報道はしていない。例えば、9月4日に国営新華社通信は、「一般の日本国民が、東京電力幹部を刑事告訴」「日本政府が放射能汚染水の対策を開始」という記事を配信したが、すっかり恒例化している痛烈な安倍政権批判は見られない。北京在住のジャーナリストの季大音氏が明かす。

「我が国は現在、61基もの原発を建設中で、広東省では住民による原発建設反対運動が起こったばかり。政府は本音では大いに日本を批判したいのですが、それが国民の反原発運動となってハネ返ることを警戒しているのです」ともあれ、日本は2020年のオリンピック開催決定までカウントダウンというニュースで盛り上がっているが、世界の報道は、フクシマ一色なのである。安倍首相は、9月4日から9日までの2泊4日の外遊中、「福島問題は、7年後の2020年には全く問題ない」と強調した。だが世界は誰も、安倍首相の言葉を信じていない。



『週刊現代』 9.21


加藤  |MAIL