加藤のメモ的日記
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2013年08月20日(火) ガンとは何か

DNAに傷がつく―これが、ガンの始まりだ。紫外線、タバコ、アルコールなどさまざまな刺激によってDNAの一部が欠落したり、切れたりする。傷ついたDNAは間違った遺伝情報を伝え、細胞は異常な増殖を始める。しまいには臓器の活動に支障をきたすまでにガンは成長してしまうのだ。だが、数カ所が傷ついた程度では心配ない。生物はDNAの修復機能を備えているからだ。では、なぜひとはがんになるのか。国立ガン研究センター所長の中釜医師はこういう。

「加齢と共に治癒能力が低下するからだと考えられます。徐々に治らない傷が溜まっていき、次第にガンへと変化していく。人の細胞は一日に5万ヶ所ほどDNAに傷がつくといわれていますが、長く生きるほど傷がつく機会も増えるため、高齢者がガンになるのは必然ともいえるのです」現在、日本では年間約70万人がガンになり、20年後には患者数は1.5倍にもなると推測される。

そもそも,ガン細胞とは自分自身の細胞が変異したものである。このことが。ガンを克服できない最大の理由ともいえるだろう。ガンの特効薬がなかなか生まれないのも、ガン細胞と正常細胞を”決定的に”見分ける要素が存在しないからだ。研究者を悩ませるガンの複雑さは枚挙にいとまがない。例えば、ガン細胞は進行するほど遺伝子構造が崩れていき、悪性度も高くなる。

栄養が足りなくなれば自分で新たに血管をつくって供給ルートを確保し、無限に成長し続ける。抗ガン剤を長期間投与すれば薬への耐性も身につけ、細胞内から薬を押しだすポンプのような働きを持つこともある。一口にガンといっても、100例あれば100通りの性質があり、その多彩さ故にガンの克服は困難を極めている。だがガンの克服に向けて日々努力を続ける研究者が世界中にいる。ガンの治療は、人類の大きな夢に向かって一歩一歩、着実に進歩しているのだ。


『週刊現代』8.17


加藤  |MAIL