加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will
| 2013年06月16日(日) |
アメリカVS中国の暗闘 |
TPP参加を巡るアメリカ・中国の暗闘
6月7〜8日に行なわれる米中首脳会談を前に、中国がTPP(環太平洋経済連帯協定)に参加する可能性が急浮上している。中国財務省の報道官は「TPPの利点や問題点及び参加の可能性について分析する」と、前向きなコメントを発表している。日本でさえ反対が根強いTPPに、共産主義国である中国が参加することなどありえるのだろうか?「米中首脳会談を控え、”開かれた中国”を」示すゼスチャーにすぎない」(外資権証券エコノミスト)との冷めた見方が大勢だが、「中国は本気だ」(他の外資権証券エコノミスト)との声も聞かれる。
中国政府関係者によると、今年3月以降、中国を訪問した米国の元高官を通じてTPP参加の働きかけがあった。これを受け季克強首相は具体的な検討を進めるよう担当者に指示したという。実は同じようなことが日本でもあった。国会でTPPの集中審議が行なわれていた2011年11月11日、ヘンリー・キッシンッジャー元国務長官が来日し、野田首相(当時)と会談した。TPP交渉参加表明に呻吟する野田首相にキッシンジャー氏は、「『ゆくゆくは中国もTPPに入ってくる』と説いた。(民主党議員)という。
だが、中国のTPP参加は容易なことではない。「TPPの本質は自由経済のルールを迫ることにある」(商社エコノミスト)ためだ。自由経済のベースは私的財産の保障にあるが、中国は個人の土地所有すら認めていない。そして最大の焦点は、国営企業の民営化にある。中国の企業は実質的にすべて国営企業である。実際、米国議会では中国の国営企業群が議論の的になっている。
昨年1月の米下院歳入委貿易小委公聴会では、マランティス次席通商代表が「TPPはアジア太平洋地域統合のプラットホームであり、中国を含む他の国にもこれを広げていきたい。今世紀型の防衛協定にふさわしく、国営企業やイノベーション政策に関する内容も盛り込んでいる」と、TPPが中国を変える武器となりうることを示唆している。
もし中国がTPPに参加して国営企業が民営化されれば、その破壊力はソ連崩壊にも匹敵する。米国はそこまで見据えた戦略を展開しているのだ。
(ジャーナリスト・森岡英樹)週刊文春6.13
|