加藤のメモ的日記
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| 2013年03月30日(土) |
追い詰められたシャープの現状 |
[アベノミクスで救えるか 追い詰められたシャープの現状]
希望退職に応じても再就職すらない悲惨
安倍政権は緊急経済対策に「官民ファンド」を盛り込んだ。政府系金融機関などを通じて、国がカネを出し、ファンドを創設し、リスクを国が背負って投資を促す作戦だが、こうした官民ファンドは別名『シャープ救済ファンド』などと呼ばれている。国が税金でシャープを助けても、本当にシャープは生き返るのだろうか。
「よほどの専門性がない限り、管理職だった人でも再就職先は居酒屋の店員や警備員といった仕事しかないようです」こう話すのは、シャープの現役社員だ。昨年12月15日付で創業以来初めて実施した希望退職では、沈む船からネズミが逃げ去るように、計画よりも5割増しの、約3000人が会社を去った。」しかし、この不景気のさなか、再就職もままらない社員が多いという。
シャープは今、倒産危機説が囁かれるほど存続の危機にある。2012年3月期決算で、3761億円の当期赤字を計上。13年3月期も赤字額が4500億円に拡大する見通しだ。もともと有利子負債が多かったうえに、戦略のない無防備な投資で液晶工場を拡大させた結果、過剰設備と余剰人員で苦しんでいる。吉永小百合をCMに使って一世を風靡した主力の液晶テレビ「AQUOS]も値崩れが進んで一向に利益が出ない。
すでに社債やCP(コマーシャルペーパー)の格付けは「投機的水準」にまで格下げされたため、市場から資金調達できない状況にまで追い込まれ、銀行からの融資で資金繰りをしのぐありさまだ。メーンバンクの一つ、三菱東京UFJ銀行はシャープを「要注意先」と位置付け、貸倒引当金を積んだ。もう一つのメーンバンクであるみずほコーポレート経理などの主要部署に人を派遣し、「決算資料もすべて銀行管理で作成している」(関係筋)とされる。
シャープはかって、タブレット端末の走りともいえる「ザウルス」を開発し市場で高い評価を得た。「目の付けどころがシャープでしょ」というテレビCMは強烈な印象を残している。デジカメ付き携帯電話を最初に開発したのも同社だ。小回りの利く経営で新商品を開発し、パナソニック、ソニーといった大手を出し抜くことを得意とする社風だった。
しかし、そうした企業風土は、いつの間にか消えうせた。主力工場の名前を取って「亀山モデル」や「液晶王国」などと持ち上げられている間に油断や驕りが生じ、大企業病が蔓延してしまった。もっと言うと、リーマンショック後、危機が顕在化し始めていたのに、社長、会長の確執や役員同士の内紛が起こり、経営改革をコンサルタントに丸投げしたのが同社である。経営陣に危機感が乏しく、結果「被害」を拡大させてしまった。シャープ危機は一種の「人災」の感すらあるのだ。
『日刊ゲンダイ』3.29
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