加藤のメモ的日記
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2013年03月28日(木) 法人の”役害”ぶり

役人とは、我々にとって”厄人”でしかないのだろうか。薬害をもじって私は”役害”というコトバをつくったが、特殊法人元職員の痛烈な内部位告発書『ホージンノススメ』(若林アキ著、朝日新聞社)を読んで、これほどまでにひどいのか、と怒りを新たにした。彼女は「政府ホージン繁栄史」の節にこう書く。「2001年、小泉内閣が誕生し、日本経済再建のため、特殊法人改革を柱とする構造改革を唱えた。でも、結局、独立行政法人と呼び名を変えるだけに終わった」

小泉改革が見せかけだったことは官僚中の官僚、ということは、最も悪質な官僚が巣くう大蔵省(現財務省)と外務省には手をつけないどころか、彼らの言いなりであることで明らかだと私は主張してきたが、それを裏付けるように、彼女の勤めていたホージンの経理担当者がこう言ったという。「『実害』はゼロでした」表向き、そのホージンの予算は2割削られたけれども、それはファミリー法人に横流ししていたODA予算の「業務委託費」を本省の経費につけかえただけだというのである。

「特殊法人には毎年5兆円の国費が費やされている。本年度はその2割、1兆円を削る」2001年春に就任した小泉首相は勇ましく、こう宣言した。しかし、行革事務局の資料によれば、5兆円というのは国の一般会計からの支出だけで、郵便貯金などの特別会計からは毎年24兆円もが特殊ホージンに流れているのである。この内部告発のポイントは、こうした数字のカラクリの指摘より、ホージンのお金の浪費にある。一つ一つ紹介するわけにはいかないが、結局はこういうことである。

「ホージンでは年間予算50億円のうち8億円がODA経費で、年に50〜60件の海外出張がある。ODAは発展途上国のためではなく、天下り官僚たちの海外慰安旅行の隠れミノのためにあるようなものなのかもしれない。なぜ、ホージンを廃止できないかといえば、政治家と持ちつ持たれつの関係になっているからで、政治家のパーティー券を買ったり、どうにもならない自己宣伝本を大量に買い上げたりするのである。KSD汚職で逮捕された村上正芳元労相の『汗にむくいる―徳おこし労組奮闘記』という本や、森山真弓前法相の『非常識からの出発』『この日この時と』といった本も、そのホージンの倉庫には積んであったという。

『汗にむくいる』には、大手労働団体の会長や霞が関のトップ官僚たちの、「私と波長の合う人」「正義感で行動派」「戦乱の武将」といった村上を讃えるチョウーチン文章も並んでいるが、「ここに歯の浮くようなお世辞を書き連ねた役人たちは、その後も順調に出世しているらしい」というのだから厭になる。この本の基となった週刊誌での内部告発が出た直後は大騒ぎになったが、それも束の間で、すぐに「理事長様をお守りしていこう」という空気が強くなった。

「今でも、理事長も会長も相変わらず海外出張行きまくり。全然危機感ないよ。アルバイトが多すぎて職員はヒマって叩かれてたけど、あれからまた派遣社員の人も増えてるし。独立行政法人になるんで、本省からの出向者も増えてるよ。あの記事が出て、反省するなんてとんでもない。それどころか、余計悪くなった感じだなあ」



『小泉純一郎を嗤う』佐高 信


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