加藤のメモ的日記
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| 2013年03月02日(土) |
前門のオバマ・後門の農水族 |
国内外から二重のプレッシャー。健康は大丈夫か。
安倍訪米をめぐる日米の水面下の交渉では、早くも日本側が大幅譲歩を強いられた。経済産業省の幹部が語る。「米国側は首脳会談で、日本のTPPへの交渉参加表明を強く要求している。日本側は岸田外相を訪米させ、茂木経産相と江藤農水副大臣がダボス会議で米国のカーク通商代表と会談するなど、複数のルートで交渉を続けた。
それは、安倍総理が訪米時に米国産牛肉の輸入規制を大幅緩和するというお土産を持って行く代わりにTPP交渉参加表明は、7月の参院選まで先送りしてもらおうとしたからだ。しかし、米国は強硬で、首脳会談で安倍総理が『聖域なき関税撤廃という前提条件がなくなれば、交渉に参加する用意がある』といった条件付き交渉参加のコミットメントを出さざるを得ない情勢だ」
そうなると自民党内が蜂の巣をつついた騒ぎになるのは明らか。自民党のTPP反対議連(TPP酸化の即時撤廃を求める回)は約210人が参加する党内最大勢力で、農水族のドンは安倍首相のライバルの石破幹事長や林芳正・農水相。議員の多くは昨年12月の総選挙でJAの政治団体・農政連と「TPP反対」の誓約書を交わした。安倍首相が交渉参加を見切り発車すれば、反対派が蜂起して、まさに政権の命取りになりかねない。
安倍首相は、先月末、出演したテレビ番組で「参院選前に方向性を出す」として踏み込んだ発言をしたが、翌日にはトーンダウンした。菅官房長官らが火消しに走るドタバタ劇を演じた。JA佐賀中央会事務所局の話では「うちは参院選で推薦した自民党候補に『交渉参加を断固阻止する』という内容の誓約書を書いていただきました。他県も政策協定書で反対の意思を文書にしてもらっている。先日も自民党の国会議員の方々には誓約書の内容を確認してもらったばかり。もし、安倍政権が約束を守らなかったら、当然、参院選での推薦はやめるという声が高まるでしょう」
TPP反対議連会長の森山参院議員はこういう言い方でドスを効かせた。「交渉に参加しないというのは自民党の公約だ。その公約で総選挙を勝った。経済界が参加推進を打ち出しているからJAは不安を感じているようだが、公約を守るといっている安倍総理がTPP交渉参加を表明するはずがありません」日米同盟重視を掲げる安倍政権は、米国には「TPP参加表明は参院選まで待ってほしい」と頼み、農協に参院選後も表明しないという。綱渡りの二枚舌が破綻するのは時間の問題だ。
『週刊ポスト』2.15
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