加藤のメモ的日記
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| 2013年01月08日(火) |
20年後生き残る会社 |
自動車業界に革命を起こすシェールガス
これから生き残る企業はどこか。本誌は経済のプロ8人に有力企業647社の中から「20年後に生き残っている会社」を選んでもらった。トップはトヨタ自動車。エコノミストの中丸氏によれば、米国でいま起きている「シェールガス革命」が背景にあるという。シェールガスとは地下深くの頁岩(けつがん)・シェール層に閉じ込められたガスで、今まで採掘困難といわれてきたが、最近の技術革新によって可能になった。全米中には採掘されていないシェールガスが大量に眠っており、米国は「100年分の天然ガス」を手に入れたといわれているのだが、それがトヨタとどんな関係があるのか。
「自動車業界では次世代カーの本命は電気自動車といわれてきたが、シェールガス革命で安価な天然ガスが大量に手に入るようになるため、本命がガスを燃料に使う燃料電池車に取って代わられる可能性が高まってきた。その燃料電池車の開発を世界で先駆けて行なってきたのが実はトヨタで、20年以上の研究実績がある。長年の研究開発がこれから海化する可能性が出てきました」目先の利益を追うばかりではなく、未来のメシの種にカネをつぎ込む。
トヨタに続く上位には三菱商事、ブリジストン、ヤマトHD、三菱重工業など異業種の企業が並ぶが、共通点は「未来への投資」にある。経営コンサルタントの小宮氏は「例えば三菱重工は採算性が疑われる中で約10年前から国産初の小型ジェット機『MRJ』の開発に着手した。これが今格安航空(LCC)ブームに乗って、海外の航空会社から注文が相次いでいる。商社各社は三菱商事がローソンを傘下に入れるなど多角化を進めたり、丸紅がチリで水ビジネスに進出するなど常に次世代ビジネスへ投資を続けてきた。
企業の生き残りのポイントは、勝負をかけた先行投資ができているかどうかだ。成功すれば後発組が10〜20年かけても追いつけない参入障壁をつくれるからです」日本経済をけん引してきた電機業界では、NEC,シャープ、ソニー、パナソニック、富士通などがほとんど生き残りの可能性がないと評価されている。「業界自体が汎用品化してしまった白物、AV家電中心の企業は、現状の事業構造のままでは20年後に全滅している可能性がある」(セゾン投信代表)
凄い利益を出す可能性がある
一方でこれらの業界にあって、三井住友FG、東京海上、JR東日本など高評価を得ている企業がある。その理由を元マイクソフト代表の成毛氏が指摘する。「例えば今、アマゾンも楽天も銀行に手数料を払って決済を依頼しています。ということは彼らと同じビジネスを銀行自身がやれば、手数料がいらないからより低価格でできる。つまりある日、三井住友で三菱UFJでもいいのですが、『音楽配信ビジネスをはじめます。値段は従来の半額です』とやればその瞬間に既存企業は敗北が決定する。つまり、銀行が持つ決済機能というのは使いようによってはものすごいビジネスツールになる可能性を秘めている。JR東日本が持つスイカの技術も同じで、手数料タダで1円単位で決済ができる。あとは企業が気づくかどうか、なんですがね」
東京海上が高評価なのはなぜか。「建設大手のコマツが建機にGPSをつけることで、どの鉱山でどの建機がどれだけ動いているかを管理できるといことでバカ売れしています。これと同じビジネスモデルを保険会社も応用できるんです。例えば東京海上がトヨタと組んで、自社の費用でトヨタ車にGPSをつければ、事故が起きたときに瞬時に駈けつけられるシステムをつくれるし、盗難防止にもなる。交通渋滞情報もリアルタイムで掴めるから、そのデータを運送会社に売ることもできるんです。現代のイノベーションとは、いかに他人が気づかないビジネスモデルをつくれるか。業界に関係なく、気づいた人が需要を総取りできるわけです」
一橋大学教授の梅木氏は「日本企業はスイスに学べ」と説く。「スイスの時計産業はかって日本のデジタルウオッチにやられて壊滅的になりましたが、そこからクオリティー路線に転換し、いまではオメガやフランク・ミュラーが強力なブランドとして存在感を増している。味の素の半導体向け材料事業などのように、量ではなく質を追っていく。量は質についてくる。そこを徹底している企業は強い」
『週刊現代』1.5
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