加藤のメモ的日記
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2012年10月02日(火) 原発なしでも大丈夫

関電は今年6月、”赤い脅迫状”と呼ばれた通知を全世帯に郵送した。赤色で「万が一の場合計画停電のお知らせ」と印刷し大飯原発を再稼働しても「電力不足による計画停電もありうる」と脅す内容だった。この中で、橋本大阪市長も再稼働に賛成し、安全性無視で野田内閣が一気に再稼働に突っ走った。ところが、大阪市ではこの夏の最高気温は36.7度。猛暑はほぼ一昨年並みなのに、企業や家庭による節電で、電力のピークは関電予測の90%以下に差立った。

他方、原発以外の電力供給は、他社からの融通、揚水発電などで関電の予測より大きく、最大2946万kwになった。これで大飯原発を再稼働しなくても余裕があることが証明された。つまり、前から指摘されていたことなのに、国ぐるみでダマして再稼働させたのではないか。京都府で機械部品の町工場を経営する広瀬さんは「私の知る取引先もみな節電に協力した。原発なしでもやっていけることがわかれば、自然エネルギーに転換する大きなチャンスになる」と話す。

原発なしで電力が足りているのは関西電力だけではない。今夏、関電の大飯原発以外は原発を一基も動かしていない。原発なしのままで電力需要のピーク時でも、全国的に電力は足りていた。全国の電力会社のそれぞれのピーク時供給力と最大需要を比較すると需要は供給の92.4%で電力に余裕があった。電力が足りないという脅しがウソだったことが露呈したにもかかわらず、財界はあくまでも原発を推進しようとしている。

政府は現在、エネルギー政策として2030年台の原発比率ゼロ、15%、20〜25%の3案を示している。これに対し、日本経団連はこれらの案は困難で、問題が多いとして否定し、原発依存度をもっと高めるように求め「低価格でエネルギーが安定的に供給されなければ、雇用の悪化や電気料金の値上げにつながる」と脅してきている。

福島の事故のあとでさえ、財界に何の反省もない。関電も財界も原発をやめればコストがかかるというが、いったん事故が起これば、何兆円もの被害を生む原発の方がずっとコストがかかる。放射能を避けるため、父を残して母と妹と福島県郡山市から避難してきた上田さんは「原発事故のせいで家族も友達もバラバラです。経済のためには原発は必要だというが、命がなければ経済も意味がない。原発は絶対なくしてほしい」と訴えている。

経済界は、原発を利用しなければ電気料金が上がると原発にこだわっている。しかし政府の試算では原発のコストが安いとはいえない。さらに福島第一原発の処理費用や賠償も見通しが立っていない。現時点で原発コストはどこまで高くなるか算定すらできない状態である。何よりも社会的リスクが高い。放射線量がきわめて高い使用済み核燃料の処分も候補地が決まらず、展望がない。それに使用済み核燃料の放射能がゼロになるのは10万年という途方もない時間がかかる。これらをコストに入れると電気料金は今より大きく膨らむだろう。

現在より多少電気料金が高くなったとしても、リスクの少ないエネルギーに転換していく道を選ぶのが、大方の国民の意識といえるのではないか。経済界は、原発をゼロにすると雇用が減るというが、省エネや自然エネルギーを進めているドイツでは新たな雇用が生まれている。自然エネルギーは太陽光パネルをつくる装置産業だけではない。風力発電の設置や維持管理、建物の省エネ改修など建築関係の雇用である。福島原発事故の教訓をふまえ、、脱原発、省エネルギーや再生可能エネルギーで持続可能な社会を目指していくべきである。


『赤旗』8/26


加藤  |MAIL