加藤のメモ的日記
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| 2012年09月01日(土) |
天災アスリートは偏食 |
「食は命の源」といわれる。しかし、天才的な能力を発揮するアスリートがチョコやハンバーグばかりを口にし、一方で、肉を食べずに筋骨隆々の部族がいると聞けばどうだろうか。食事と人間の関係には、最新の科学でも解き明かせない未知の世界がある。
NASAが研究した不食人間
なぜ偏食アスリートは体調を維持できるのか。東大名誉教授で微生物生態学の権威である光岡氏の研究によれば、ニューギニアの高地に住むパプア族の食事の96%はサツマイモで、魚や獣肉はほとんど食べない。栄養学的にいえば「タンパク欠乏」の状態なのだが、なぜか健康状態は良好で筋骨たくましいのである。
不思議なことに、彼らが毎日食事から摂取している窒素の量は2グラム(タンパク質10〜15gに相当)でしかないのに、便や尿から排出される窒素量はその2倍近くあった。そこで光岡氏は、空気中のタンパク質以外の窒素化合物が体内に取り込まれ、そこから腸内細菌がタンパク質を合成しているのではないかと推定した。パプア族の人たちは、肉や魚を食べなくても、体内でタンパク質をつくっているというのだ。
タンパク質はアミノ酸が結合してできた物質で、人間の脳や内臓、骨、そして神経やホルモンなど、身体を構成するすべての部品はアミノ酸からできている。なかでも必須アミノ酸は「体内で合成できないため、食事などで摂取することが必要」とされる。ところが近年では、必須アミノ酸も体内で生成されていることが明らかになった。東北大学名誉教授(応用生物学)の木村修一氏の解説によると、
「牛やヤギなどの唾液には尿素が含まれていて、それが体内の細菌によってアンモニアに分解され、別の菌がそのアンモニアを利用して増殖し、菌体タンパク質を合成することが判明している。人間も同様に、体内にあるアンモニアを腸内細菌が分解することによって、みずから必須アミノ酸をつくっている可能性がある。ただ、現時点ではメカニズムは解明されていません」
肉を食べない競走馬が筋肉隆々の馬体をし、早く走れるのもこうした理由から。人間も必須アミノ酸を体内で合成できるのなら、必ずしも肉や魚を食べる必要ななくなるわけだ。菜食主義者でも生きられるのは当然ということになる。
『週刊ポスト』2/24
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