加藤のメモ的日記
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2012年03月18日(日) 震災瓦礫

「放射能怖い」の反対運動をほくそ笑む「ゴミマフィア」たち
本当は欲しい 震災瓦礫という名の「金の成る木」


震災地の仮集積場に積まれた瓦礫の量は2247万トン。被災3県(岩手、宮城、福島)の10数年分の処理量に匹敵する。政府は瓦礫を全国の自治体に運んで焼却する広域処理を掲げているが、各地で「放射能を持ってくるな」と住民の反対運動が広がり、野田首相はついに「引き受け自治体にカネを出す」とまで言い出した。新聞やテレビはその状況を「瓦礫の押し付け合い」「住民エゴ」と報じているが、実態はまるで違う。水面下では、瓦礫は「カネの成る木」となり、「奪い合い」が起きているのだ。

意外に思えるかもしれないが、日本は「ゴミ不足」の状態にある。全国のゴミ焼却施設は約1600か所。全世界の7割の焼却場が集中している。ある自治体の清掃局担当者が語る。「焼却場の多くは1基数百億円で建設された最新鋭施設で、有害なダイオキシンや煙を外に出さないようにできている。だが、そうした焼却場には”弱点”がある。24時間、一定の温度で燃やし続けなければならないのです。そのため、燃料のゴミが足らなくなっている」そこに東日本大震災で大量の瓦礫が生まれた。大半は倒壊した家屋の木クズ等の可燃ゴミだ。

各自治体の清掃部門は瓦礫がのどから手が出るほど欲しい。震災瓦礫の輸送費は国が丸抱えで補助金もつく。これほど都合のいい燃料はありません」環境省は震災直後の昨年5月、第一次補正予算で3500億円の瓦礫処理予算を組み、広域処理で全国に輸送する方針を決めて受け入れ先を募集した。すると500か所の自治体や企業が名乗りをあげ、なんと沖縄県も受け入れを表明した。東北から沖縄まで瓦礫を海上輸送するとなるととんでもない運搬費用がかかる。瓦礫の広域処理で全国にゴミ輸送ネットワーク利権を張り巡らそうというのが環境省の狙いで、産廃業界は特需に沸いている。

一方被災地も多くの雇用を生む瓦礫処理事業を他に渡したくない。仙台市は3基の仮焼却施設を新設し、全量を自前で処理する方針を決めた。他の被災地も右ならえで、自前で処理したいというのが本音だ。岩手・陸前高田市も焼却場を建設して瓦礫を自前で処理する計画を検討している。ところが、環境省は陸前高田市の焼却場建設にトップをかけている。「被災地で瓦礫を処理されては、運搬や焼却のビジネスで旨みを得たい自治体や環境利権に関する業者が、”約束が違う”と言い出しかねない。(環境相関係者)

野田首相が税金投入を言い出したのも、そうした瓦礫処理ビジネスへの補助金だと思えばわかりやすい。そうした環境省や自治体の”ゴミマフィア”にとって、住民の反対運動も好都合だった。自分たちで被災地での処理を止めておきながら、受け入れ先の住民の反対を口実に、「このままでは処理が遅れて復興に支障が出る」と訴え、「焼却施設の改修費」「焼却灰の処分にも補助金」とどんどん国の補助金をせしめようとしている。かくして、仮集積場の瓦礫は減らないまま、税金を投じた処理費用ばかりがオークションのようにつり上げられている」


『週刊ポスト』3.23


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