加藤のメモ的日記
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2012年02月26日(日) 6センチ大の腫瘍が消えた

丸山博士の長男・茂雄氏が「余命4カ月からの生還」を告白

30年前に「がん治療薬」として日本中にその名を知られ、不認可の審議以後「有償治験薬」として患者に使用され続けている丸山ワクチン。開発者の故・丸山博士の長男ソニー・ミュージック社の元社長の丸山茂雄氏もまた、のべ39万人ものワクチン使用者の一人だった。

水さえものどを通らない

ワクチンは20本(40日分)で9450円(1本500円弱)と安価ではあるが、隔日ではなく連日で使えば一ヶ月一万円を超え、注射を打つ診察料もかかる。「主治医の指導のもとに」という条件をクリアすれば、茂雄氏のように自分で注射することも可能だ。本格的な治療を開始する前に、早速早速変化が訪れた。食事がのどを通らない状況が解消されたのだ。「栄養補給の点滴治療をしている間に、食道をふさいでいた6センチ大の腫瘍が何かの拍子に変化してすき間が空いたのかもしれない。だから、丸山ワクチンのおかげでガンが小さくなったかどうかは定かでないんです。その時のCT画像を撮っておけばよかったんだけど」

放射線を計30回照射して、抗がん剤投与を2クール(投薬期間)こなす治療を受けながら、、丸山ワクチンを打ち続けた。08年2月半ばに予定していたすべての治療が終わり、いったん帰宅。ガン発見から4カ月目を迎えながら、自宅で身辺整理を続ける日々を過ごした。良好な体調と迫る死期のギャップに戸惑いながら、葬式の準備も自ら進めた。そして3月に検査をしたら、食道のガンは完全に消え、各所に転移していたガンも小さくなっていた。「主治医に『よく頑張りましたね』と誉めてもらえると期待していたら、『気を緩めないように』と冷静な対応でしたね(笑い)。念のために抗がん剤治療の継続を進められましたが、抗がん剤という”毒”を身体に入れて免疫力を落とすことがほんとに『念のため』なのか疑問もありました。そこで内緒にしていた丸山ワクチンの使用を明かしたうえで、提案された治療の半分以下に抑えてもらうよう、標準治療を”値切り”しました」

しかし、ガンはそう簡単に宿主を解放してはくれなかった。11年5月に胃ガンが見つかったのだ。「最初の放射線治療のときに『美味しいものが食べられなくなるのは嫌だ』と。胃にだけ放射線を当てなかったのです。今回は反省して放射線照射をしたら、ガンはすぐ消えました」ワクチン投与は連日ではなく隔日注射にペースダウンしたが、その後の検査でもガンは見つかっていない。体調はずっと良好で、元「末期ガン患者」とは思えないほど顔色もいい。

精神的な効果も大きい

茂雄氏は抗ガン剤、放射線の治療がガン撃退に効いたと考えているが、丸山ワクチンも効果があったと確信している。ただし、茂雄氏のように”劇的に効く”人ばかりではなく、効果が見られない人も残念ながら大勢いる。「これまで大勢の人たちに、丸山ワクチンを紹介してきましたが、私見では4人に1人ぐらいは効果が出ているのかなと感じます」とくに丸山ワクチンは、免疫力を高めてガンを攻撃する免疫療法である。即効性がないため、長期的に継続使用しなければ効果が表れにくい。茂雄氏のようにCTなどの検査でガンの影が見つからなくても、ガン細胞は身体から完全に消滅したとはいいきれない。新たな再発を予防する意味で、ワクチンを打ち続ける必要があるが、、ちょっと症状がよくなれば、すぐに止めてしまう人が多いのが実情だという。

「僕は丸山ワクチンのおかげでガンが消えたとはいいませんが、多くの人が苦しんでいる抗ガン剤や放射線の副作用も全くなく、食欲も落ちなかった。何より『丸山ワクチンをやっているから明日に希望が持てる』という精神的な効果も大きい。標準治療だって絶対的なデータはないのだから、身体を痛めつける抗ガン剤や放射線の量を減らして、残りの”念のための治療”を丸山ワクチンで代用すれば、きっと症状が楽になる患者は多いはずです。ただ、その理解を得るには有償治験薬ではなく、医療品として正式認可を受けなければ難しいでしょうね」

日本で唯一の「有償治験薬」と認定されて30年余り。その間、丸山ワクチンと同成分である、放射線治療による白血球減少抑制剤「アンサー20」が91年に認可され、同じく同成分の子宮頸がん治療薬が最終臨床試験中であるが、丸山ワクチンの未来が完全に開けるわけではない。また、科学的な臨床データに乏しい治療法にも積極的に協力しない医師もいまだに多い。茂雄氏は「代替治療も含めて、ガンにはあらゆる治療法や選択肢があるけど、最後には自分の直観力を信じてバサリと決めていかないと、人生後悔することになりますよ。これが、丸山ワクチンで生き残っている僕からのメッセージかな」



『週刊ポスト』2.10


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