加藤のメモ的日記
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2010年04月22日(木) ソメイヨシノ

ソメイヨシノは日本中の桜の木の8割を占める。淡いピンクの花の咲いた木の下に立つと空を覆うばかりの雄大さがある。この木は田んぼ一面の稲の緑色と同じような不自然な美しさがある。ソメイヨシノは江戸時代末期につくられたという。ソメイヨシノはクローン植物で、コピーを繰り返してつくられた植物である。元をたどれば1本の木だった。

福岡、東京、青森のソメイヨシノの遺伝情報は全く同じものである。発祥の地は東京駒込で、植木の職人がオオシマザクラとエドヒガシという桜の木どうしをを受粉させた。十年後一番多くの花を咲かせた桜の木があった。これがソメイヨシノのルーツである。しかし桜には自家不和合性と呼ばれる性質があり、同じ樹の中で雄しべの花粉が雌しべに付いても実がならない。それでこの木を残すため接ぎ木で増やしていった。ソメイヨシノはクローン植物である。

土台のオオシマザクラに切り込みを入れ、そこに15センチぐらいに切ったソメイヨシノの枝を差し込み紐で結び付ける。すると自然と合体し、だんだん大きくなり1年ぐらいで150センチぐらい成長する。2年後には花が咲く。この苗木を戦後から昭和30年ごろにかけて全国に広げていった。今も受け継がれている。現在の全国のソメイヨシノは江戸時代の最初の一本の木のコピーである。

土台のオオシマザクラと接ぎ木したソメイヨシノは共存関係にある。木には他を拒絶する免疫系がないので、ソメイヨシノは葉を広げ光合成でできた養分をオオシマザクラに送る。

青森県の弘前公園には1500本のソメイヨシノがある。樹齢128年が最高齢ということだ。人工植物ゆえ手入れがいる。花見が終わったら根を掘り起こし肥料をを撒き、不要な枝は切るという作業が必要である。桜はリンゴと同じバラ科である。ソメイヨシノは個体に差がないので気象庁の桜前線の判定基準に採用されている。赤い八重桜はソメイヨシノが咲いた後、一斉にそろって咲く。咲き遅れた個体はない。


『全ては一本の木から始まった』


加藤  |MAIL