加藤のメモ的日記
DiaryINDEXpastwill


2009年03月25日(水) 瀕死の小沢一郎

●秘書逮捕″子飼い″議員参考人聴取に麻生首相は「高笑い」の裏で…
瀕死の小沢一郎が狙う”抱きつき心中”の「標的」

悲願の政権奪取が近いと思われた民主党の小沢一郎代表(66)が、奈落の底に落ちかけている。準大手ゼネコン西松建設の違法献金問題に絡み小沢一郎氏の第一秘書・大久保隆規容疑者(47)が3月3日に逮捕されたが、3月10には元小沢氏秘書の“子飼い“代議士の事情聴取も行われることが判明したのだ。

「大久保秘書の逮捕容疑である政治資金規正法違反は、本来なら形式反で収支報告書を修正すれば済む問題です。それでも地検が逮捕に踏み切ったのは、別に狙いがあるからだと思います。おそらく検察は、『あっせん利得処罰法』での摘発を目指しているのではないでしょうか」(警察OBの平沢勝栄代議士)

西松建設はトンネル団体を通じ、与野党を問わず政治家に金をばら撒いていたが、金額だけを見れば小沢氏が圧倒的でここ10年ほどの間で約3億円に達していた。「斡旋利得罪は、政治家やその秘書が工事受注など口利きを行い、代わりに利益を得たという証拠が揃えば成立する。

大久保容疑者については、東北地方の工事を仕切るかわりに、西松サイドに対して献金の要請をしていた疑いが浮上しており、これが事実なら大久保容疑者は再逮捕の可能性もある。こうした状況を見て傍目にも「浮かれまくっている」のが、麻生太郎首相(66)だ。

小沢氏の疑惑が浮上し、かといって自分の支持率が上がったわけでもないのに、まさに笑いが止まらない様子。3月10日の衆議院本会議でもやはり西松から献金を受けていたはずの森喜朗元首相らと、なにやらゲラゲラ大騒ぎ。ついこの間まで「激ヤセした」「頭髪が危ない」などといわれていた人物とは思えない。

「実は大久保氏の逮捕前日、検事総長の樋渡利秋氏が、麻生首相のもとに『小沢氏の捜査をします』と事前報告に行ったという情報が出ています。確かに3月2日の午後6時過ぎ、首相は普段あまり寄らない永田町付近の個人事務所に、『書類整理』と称して約6分間立ち寄っています。その場で、首相は選挙妨害にならないか懸念する検事総長に対し、『当分選挙はないから』と、GOサインを出したというのです」(自民党代議士)

真相はどうであれ、検察の捜査が進めば進むほど麻生首相は有利になるわけで、「これで任期いっぱい(今年9月)まで解散が延ばせる」と有頂天なのである。ところが―。″一寸先は闇″と言われるのが永田町だ。疑惑の炎は麻生首相の閣内にまで飛び火した。二階俊博経済産業省(70)の第一秘書が、東京地検の事情聴取を受けたのだ。

「二階氏は地元・和歌山の事務所が西松の営業所と同じビルに入っているなど、30年来の付き合いがあるといわれています。表向き、西松建設には04〜06年にパーティー券838万円を買ってもらっただけになっていますが、西松建設側が捜査当局に対し、『二階氏にはそれ以上のカネを払っている』という供述をしているとの情報もあります。(全国紙社会部記者)

政治家が公表しているパーティー券以外に金を受け取っていた場合、「所得税法違反」や「贈収賄」容疑に発展しかねない。国会で二階氏ははしゃぐ麻生首相の近くで暗い表情を浮かべていた。これは何を意味するのだろうか。そしてこの西松事件「二階ルート」捜査の進展次第で、今劣勢に追い込まれている小沢氏が一か八かの逆襲を図る、との見方が政界では出ている。

「民主党内では、小沢氏本人が逮捕されない限りは代表辞任の声も突っぱね、次期衆院選に向け、こんな“公約“をブチ上げるべしとの声が出ています。まず小沢氏自ら、『企業献金の全面禁止』を訴える。そして、これまで不自然だと指摘されてきた、所有する十数カ所のマンションをすべて売り払い、福祉のための基金を作るか慈善団体に全額寄付する。これで小沢氏は完全に”クリーン“になりますから、反攻に転じて選挙に勝利できるはずです」(民主党代議士の一人)

さらに、国会では二階氏の疑惑と漆間巌官房副長官の“失言“問題を徹底追及するという。麻生首相には参院で問責決議案を出す。それでも首相が政権に固執するならその時、自らの代表辞任と引き換えに二階氏と漆間氏の首も取る。中川昭一前財務相に続き、二人も閣僚級の辞任が続けば、麻生首相も何らかのケジメをつけざるを得ない。つまり、「解散・総選挙」をタテに、捨て身で、“抱きつき心中“を麻生政権に仕掛ける戦法だ。

「もともと小沢氏は首相になりたい人ではありません。自民党を打ち破って、政権交代するというのが最終目的です。自分が代表を続投する場合と辞任する場合、どちらが総選挙で勝てる可能性が高いのか、それだけを考えているはずです」(政治アナリスト・伊藤惇夫氏)果たして、生き残るのはどちらなのか。


フライデー 2009.3.27


加藤  |MAIL