加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will
| 2009年03月05日(木) |
映画 ポチの告白(1) |
警察の内実をとことんリアルに描き出した映画『ポチの告白』。その内容の過激さ…というか、登場する警察官・警察組織のあまりの腐敗ぶりは、反警察マスコミの急先鋒・週プレさえも「マジ?」と目を疑うほど…。ということで、この映画の監督・高橋玄氏、原案に協力したジャーナリストの寺澤有氏、そして裁判官役で出演する宮崎氏に、いかにこの作品がリアルに実際の警察の姿を描いているか、赤裸々に解説してもらった。この映画は「警察は正義」という国民の常識にクサビを入れる映画である。 ○週刊プレイボーイ ☆映画監督 高橋玄 ◇ジャーナリスト 寺澤有 ◎作家 宮崎学
○この映画で描かれた警察犯罪にまつわるエピソードは、どこかで聞いたことのあるものばかりでした。でも、一般の市民常識からすると「日本の警察がこんなにヒドイわけないだろう」と思うんじゃないでしょうか。そこで、この映画がいかに“実話”に基づいているかを語っていただくために、今回の座談会を企画しました。そもそもこの映画をつくろうと思われたきっかけは何だったのですか?
☆最初はかっこいい刑事を主人公にしたフィクションのドラマを作ろうと思っていたんです。でも、原案に協力してもらった寺澤君の話を聞くと、本物の警察の姿をリアルに描くほうが圧倒的に面白いと感じた。それで事実だけで構成する映画を撮ってみようと思ったんです。
◇高橋君から警察の映画を撮りたいという話があったのは97年のことです。でも警察の腐敗をここまで描く映画は撮影や配給、そして出演してもらう役者さん探しなどでけっこう大変だろうなと思いました。
☆結局、撮影に入ったのは04年12月。それから4年も経ってやっと上映にこぎつけることができた。普通、映画の制作や上映にはタイミングが大事で配給会社の人も「制作されて4年もたつ映画はどの配給会社も相手にしないんですけどね」と言っていたくらい、でも逆に言うと、上映されることになったのは、4年前も今も警察がまったく変わっていないことの裏返しでもある。描いた内容がまったく古びていないんだから、結局、警察がよくなる時代なんてないってことでしょう(苦笑)。
◎特に、警察の記者クラブに入っているような大手メディアでは、警察問題を扱うことは“タブー“になっていて、国民は警察の真の姿を知らされてないですから、この映画が上映される意義は大きいですね。
○これまで出品した映画祭や試写会での観客の反応は?
☆上映後、「警察がそんなことをしないだろう」という怒りみたいなものをぶつけてくる観客はいました。彼らは警察という組織を信じたいんでしょう。「警察は正義」だとね。そういうお上のマインドコントロールやプロパガンダが効いているうちは、どんな本物の情報に接したとしても簡単には信じようとしない。よくテレビで「○○警察24時」という番組をやっていますが、制作側は自覚していないかもしれないけれど、視聴者に対する洗脳効果は充分にありますよね。だから、逆にこの映画がそういう一般市民の良識、常識のスキを突いているんだろうと思います。
○「日本の警察は世界一、優秀だ」という宣伝がいまだに効いているわけですね(笑)
◎「警察白書」を見ると、刑法犯の検挙率がずっと20%台だったのが平成17年までで、18年には30%台に回復した。警察はこれをもって「日本の治安はよくなった」なんて大騒ぎしているけど、冗談言ってもらっちゃ困る。検挙率が30%ということは残りの70%は容疑者が逮捕されていないってことでしょう?よくなったと喜んでいるのは警察ぐらいで、日本の治安はもはや相当悪いんですよ。
…押収したシャブを市場に”還流”させる警察の犯罪…
○映画では数々の警察の不祥事が描かれているわけですが、一番ショッキングなのは警察官の薬物汚染の実態だと思うんです。
☆東京のJR飯田橋近くにあった東京警察病院、今は中野区の警察学校跡地に移転しましたが、ここではシャブ中(覚せい剤中毒)で治療を受けている警察官も少なくないそうですよ。
◇警察の職場にシャブがある琴柱tくぁ位、珍しくもなんともないですからね。僕も関東近県のある病院長から「薬物中毒で運ばれる警察官が多い」という話を聞いたことがあります、しかも上司が連れ添って「この警察官は事情があって薬物中毒になってしまった。だから何とかリハビリしてくれ」と頼んでくるそうです。
☆そんな警察官が実弾の入った拳銃をぶら下げて町中を歩いているんだから、こんな物騒なことはないですよ。
○違法薬物を取り締まるはずの警察官が薬物中毒になるなんて、まるで”ミイラ取りがミイラになる”ようなものですね。
◎警察内部の薬物汚染は想像以上に進んでいると思う。まず、警察が押収した薬物の一部を闇市場に”還流”している可能性がある。普通警察が薬物を押収したとき、「押収目録」を作りますが、写真を撮るだけで必ずしも押収した量を厳密に測っているとは思えない。だから、横流ししようと思えばいくらでもできるわけです。僕は押収した覚せい剤を実際に横流しして刑務所に入った京都府警のこと警察官を取材したことがありますから、還流の割合はともかく、事実として還流があるのは間違いないね。そして教育用の”サンプル”として警察官に渡されているものがあるとも聞くし、薬物に溺れていく警察官がいても不思議じゃない。
週刊プレイボーイ
|