cosmoclock
fountain



 香水



だって、香水をつけるのは好きじゃないの。


私が、あのとき、香水をつけていたなら、
私を刻みつけることができたのだろうか。

私の香水をつけた誰かとすれ違うたび、
私をよみがえらせることができたのだろうか。


香りの記憶は、残っていくもの。



一番悲しいのは、忘れ去られること。


だから?
あんなにも、私の中に、あなたを刻みつけて。


十分だったのに…。

そんなことしなくても、もう、十分だったのに…。


あなた以上の人は、いないよ。

私にとって、これ以上の人は、いない。



今日届いた新しい香水が、とても甘く香ってる。

なんだか、悲しく香ってる。




2001年09月22日(土)
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