++るうの独り言++
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2004年03月22日(月) 熱しやすく冷めやすい

結婚前、何か自分の作品を発表するときのペンネームとして
『介山藤作』もしくは『介山』を使っていた。

どーも自分の作品は、自作とはいえ、どっかでみたような気がする、だれの影響かがすぐわかるようだ、ということで自嘲気味につけたのだった。
その心はおわかりと思うが『改竄盗作』である。はっはっは。
いまでも、明らかに誰かの作品のマネとかちょっと言葉をいじくっただけという文章にはこの名を記している。

んで。
結婚して名前が『蓮見』さんになったのをきっかけに、
『荷葉』を使うようになった。なんにしろ『蓮』はいいイメージで、この名にかわることが文学的にも嬉しかった。(^○^)

『荷葉』という言葉は、一般名詞である。
だから季語でもあり、
六種の薫物も有名だし、
永井荷風なんて人もいるし、
私は、最低、風雅の世界に遊ぶ人々たちの間では、知ってて当然、知らなきゃはずかしい部類の言葉だと思ってた。
現に
「これ、なんて読むんですか? どんな意味があるんですか?」
などと聞かれたことは一度もない。
むしろ本名が蓮見だというと、「なるほど」という顔をされる。
「カヨウ、でよろしいの?」という聞き方はされる。
その人の頭に
「もしかするとハチスバかも。 ハスノハかな?」という知識があるからだ。

これが普通の状態だと思ってた。

で。
この間、生まれて初めて
「荷葉ってなんて読むんですか?」
と聞かれた。
・・・歌詠み人なのに、この言葉を知らない人がいる?!

それだけならまだいい。
「(荷物の荷だから)ニヨウさんってお読みするんじゃないですか?」
と別人。
・・・げげ。

わたしゃ、答える気も訂正する気も失せた。
こういう人々と同じ空間で歌を楽しむことなんかできない。

勢いこんで始めた五行歌だけど
文芸という高みにひきあげるどころか、
たんに「感情の吐き捨て場』にしかなってないような気がして来た。
言葉に対する気遣いも真剣さもなし。
『自分が自分が』の世界、書いてりゃなんかかっこいい、という世界。
五行にわけて書きゃ、なんでもありでしょ?

そうであるならそれは五行歌という文芸じゃない。
単なるウエッブ日記だ。

だからちょっと、熱が冷めて来たんだ、この頃。




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