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2005年06月12日(日)
「ロード・オブ・ザ・リング二つの塔SEE」は80点

『ロード・オブ・ザ・リング二つの塔スペシャル・エクステンデッド・エディション』
正直いって40分も未公開シーンが増えたとは思えなかった。エントの水のシーン、エルフのレゴラスが峡谷の戦い前夜あせりを顕わにするところ、ギムリとレゴラスとの成果合戦の結果がつくところ、ゴンゴールでのファミリア兄弟の仲の良さと、父親との葛藤くらいしか気がつかなかった。ほぼ15分たらずである。ということはあとは全て完全に物語の中に溶け込んでいる「追加部分」ということになるのだろう。
一部二部あわせて今回もう一度観て気がつくのは、人間族、ホビット族、エルフ族、ドワーフ族の「中つ国」の中での「対立と連帯」である。違う民族が同じ「世界」の中で、同時に存在し、領土を持っていることを認め合い、(エルフ語が頻繁に出てくる。このエルフ語をそれらしく『創って』しまった映画はすごい。物語はほぼ人間語で進められる。)、やがて反発から友愛に変わっていくことを物語の横糸として今回特別版はみごとに浮き上がらせている。
あと『二つの塔』で特筆すべきは、『エルム峡谷の戦い』の見事さである。三部作全体を観たあとだから分かる。『王の帰還』のデアンノール野の戦いよりも、こちらのほうがよっぽど優れている。「300人対10000人」という小人数対多人数の構図だけなら、『王の帰還』でも繰り返し描かれた。しかし、戦いが始まるのが夕方、終わるのが朝方という時間的緊迫感と、ほぼ城の前後のみでの戦いという空間的緊迫感とでほかの映画の追随を許さない名戦闘場面になった。戦いが始まるまでの緊張感と終わってからの解放感は『七人の侍』さえ連想される。(05.04.28記入)