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2005年03月21日(月)
「流星ワゴン」 重松清

「流星ワゴン」講談社文庫 重松清
男はいま「死んでもいいや」と思っている。息子は中学高受験に失敗、公立校に入ったとたん家庭内暴力を振るうようになる。妻は家に寄り付かなくなり、離婚届を突きつける。ずっと仲の悪かった父親はいま危篤状態だ。その彼のところにするするとワゴン車が寄ってきた。「遅かったね。早く乗ってよ。ずっと待っていたんだから。」

人に『やり直し』は効くのだろうか。昔は気がつかなった「人生の分岐点」に行くことができたら。あるいは父親と仲直りはできるのだろうか、もしも今自分と同じ年の父親が現れ、対等に口がきけるのだとしたら。

小説なので、その『もし』を実現してみせる。しかし、現実は厳しいことも良く知っているので、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいに簡単に過去を変えたりはしない。そして重松清が選んだ過去とは、本当に一見なんでも無いようなある一日が三回であった。「ああ、そうなんだろうなあ」と思う。人生に『やり直し』は効かない。でも人間は『やり直し』をすることが出来るのである。