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2005年01月01日(土)
あけおめ「デモクラシーの冒険」

新年明けましておめでとうございます
今年は個人的には転機の年になりそうですが、
ここに書いていくことは今のところ変わりそうにありません。

この前、このエンピツサイトから初めてメールが来ました。
大変嬉しかった。
私このサイトを加工して参加しやすいようにする方法知りませんので、
読んでくれている人も意見いいにくいとは思いますが、
気軽にメールくれると嬉しいです。
意見反論はさらに歓迎します。
「反論」大好きです。

「デモクラシーの冒険」集英社新書 かん尚中 テッサ・モーリス・スズキ
確か丸山真男が言ったのだと思うが、「民主主義とは制度の事ではなくて、間断無く話し合うという<運動>である。」だとすれば、民主主義について意見の違う二人が徹底討論するのも良いが、この二人のように比較的似た意見の知識人が徹底的に討論するのも、なんらかの成果が上がるのかもしれない。しかも、ふたりとも日本国籍やオーストラリア国籍の無い『ボーダー』な知識人である。国際的な視野に立ち、日本について考える事が出来る。

結果、幾つかの新鮮な視点を貰った。例えば「(現代は)個人と国家の中間に存在していた媒介項(労組や階級や地域というコミニュティ)が無くなってしまった。その意味では、なぜネオ・リベラリズムとネオ・ファシズムがうまく結合するのかが理解できます。」という指摘。個人が剥き出しの形で国家や企業と対峙してしまうと非常に危険なのである。

ただ、結果的にこの本で現代の民主主義の問題の主要な部分が網羅的に出ているとは到底思えない。世界分析も歴史的な学習も、そして実践的な提案も私は不充分だと思う。でもいいのだ。こういう本はあくまでも「考えるヒント」なのだから。