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2004年12月17日(金)
「あかね雲」山本一力

「あかね雲」文春文庫 山本一力
この作品、珍しく運命が登場人物たちにあまり困難を与えない。上方から来た豆腐職人の深川での商売は、その生真面目な仕事も手伝い順調に進む。少しつごうよく話が進みすぎではないか、という気がしないでもない。しかしそんな事では直木賞は獲れない。第一部で親子二代にわたる豆腐屋の有為転変をテンポ良く見せたあと、その中の謎のセリフ心情を第二部でもう一度なぞるという映画的手法、そしてなによりも「人情話」としての心骨頂的場面の数々。押し付けではなく、泣かせる小説に久しぶりに出会った。ただあまりにも「説明のし過ぎ」が気にかかる。