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2004年12月14日(火)
「子麻呂が奔る」黒岩重吾

「子麻呂が奔る」文春文庫 黒岩重吾
「斑鳩宮始末記」に続く、飛鳥時代の取調べ官、子麻呂を主人公とする捕り物帳である。とはいっても、犯人がつかまるという単純な終り方が今回は少ない。子麻呂は物盗りや、殺人などの単純な犯罪からやがて政争絡みの犯罪にかかわっていく。ミステリーを所望の方には少し物足りないかもしれない。歴史すきには聖徳太子の政争敵の蘇我馬子がちらりと現れてどきどきする。

当時の階層、婚姻関係などを背景にいわゆる庶民の暮らしを生き生きと描き出しているのは今回も同じ。しかし中途半端なところで終ってしまっている。子麻呂の再婚はなるのか、子供の運命は?政争はどうなるのか、今回逃した魚とはどう決着をつけるのか、ぜひ続巻が欲しいところだが、果たしてあるのだろうか。やっぱり黒岩重吾氏の死は惜しまれる。