甘えた関係

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2001年12月07日(金)
Isoparametric

□ごはん
朝:なし
昼:茄子とモツレラのパスタ・アイスティ
夜:お雑煮

■音楽・本・映画
・「吉祥天女」(吉田秋生)の1〜4巻
・「南瓜とマヨネーズ」(魚喃キリコ)

□明日の予定
・試験勉強

■メル
・とくになし。

□会話
カナメくん:『耐えられないとおもうなら、諦めたほうがいいとおもう。』
1時過ぎてからかけてなんてくるなんて、電話でさえこの頃珍しい傾向があるってのがプラスされて、すごく珍しかったから、思わずおそるおそるとってしまった。
『もしもし。こんばんは。』
少し反響している声。
「こんばんはー。」
『ねむってた?』
「いいえ。なにかあったん?めずらしいねぇ。」
『えーと、今特別になにかあったっていうわけじゃないんだけれど。』
うわ、なんかカナメくんの口調重い。なんかくるぞ。これは絶対。
予感して、パニック防止対策を立てて実行、したうえで、
「なになに?」
『あのさ、これから先、仕事がもっと忙しくなっていくんだ。』
「うん。」
とりあえず聞く。
『こう言っちゃなんだけれど、独身っていうせいもあるからたくさんまかせやすいんだと思う。』
「うん。かもね。」
聞き手になって話させる。
『あー、もう、うまく言葉が言えない。』
「うん。」
聞く。
『とにかく。もう10日近く会っていないでしょう?』
「うん。」
うわー、こうくるかっ、とか思う。
『こーいう状態のもっと長いのが、これから先、もっと出てくると思う。確実に。』
「うん。」
そろそろです。
『耐えられる?』
はい、聞かれました。
(思案と反芻のための6秒)
「うーん・・・なんとかやりくりしてけれるとおもう。」
深呼吸をして、息とめて、吐きだすのと同時に、
「もすこし、そっちが言うのがキツイっていう表現、ないわけ?」
『キツイ・・・?えーと、あ、耐えられないとおもうなら、諦めたほうがいいとおもう。』
(正面きって受け取らないための準備の3秒)
(次の手を考えるための思案の4秒)
思いついた手を繰り出すための前提確認。
「あたしのこと、たぶん好き?「けれど」ってつけないで。」
『そりゃ、きっと好き。』
「付き合っていたい?」
『はい。』
これでこの手を進ませる勇気が湧いた。
「なら、なぜこんなことを言いだすの。動機は?せめて、これ思ったときの情景でもいいから、言って。知りたい。」
答え受けとめるために、余計聞きにくくなるっての知ってはいるくせに、どうしてもなんか受話器に耳を押しつける。
『こないだ、残業していたんだよね。夜遅くまで、一人で。そのときに、ふと、会いたいなぁと思ってでも会ってないでしょ?っていうことに気づいて、これから先もっとそういう時間が多くなるんだと思って、それからいろいろと思って、危ないからやめようとは思ったのだけれど、とまらなくて、たどりついた。』
思っていたのと結構違って、その安心の溜息と共に、
「この、馬鹿め。」
『うわ、ひでぇ。』
そしてちゃらかす。
「ねぇねぇ、なかなか可愛いコト言うねぇ。」
『うるさいよ。』
「ねぇねぇ、いいこと教えてあげる。あたしもあなたを好きでね、付き合っていたくって、でもって、今あたしとあなたは付き合っているのよ。」
↑ふざけて少し詠うように
『うん。』
↑普段ならそういう口調にツッコミをいれる、から、
「馬鹿め。」
『ごめん。』
「だから、それ言わないでよ。ったく、ホント会話告げるの下手だよねぇ。」
『今どこ?』
会って言う気なのかなぁ、とか思う。
「家。そっちは?」
『会社。』
ハナシをずらして逃げてしまえ、とか思う。
「大変そー。」
『会議3.4つかけもちしてるからなぁ、今。』
「あはははは、人気者!」
逃げてしまえとか思ったくせに、やっぱ気になるから、心のなかで深呼吸。
息をとめて一気に吐き出す。
そして、いっせーのーで、
「別れ話かと思った。」
カマかけ。
『へ?あ、違うよ?』
カナメくんの驚いた声に、こっちまで動転。
何が違うのかわからなくなって、
「え、そうなの?」
『何が?』
残っていた息といっしょに、
「これ、別れ話?」
(カナメくんからの3秒の空白)
『えーと、あの、違う。全く違う。言ったでしょ?好きだって。付き合っていたいって。だから、敢えていうなら、ただの愚痴。に、聞こえなかった、みたいですね。』
「うん。それに、んな攻めるようにいわないでよ。」
『ごめんなさい。』
「それ言わないで。今は特に聞きたくないから。」
(気持ち入れ替え切り替えるための3秒)
「会社の今どこ?」
『あ、第三会議室です。』
あたし言われてもワカラナイのに、「第三」ってのまで言ったってので、少し気分が挽回。
「え。会議中なの?」
『いいえ。』
えーと、じゃぁ。
『一人、会議室にたてこもって、警備員に発見されたら怖いから電灯つけずに、椅子にすわってあなたと電話中。』
(情景を想像するための3秒)
『なに笑ってんの。』
カナメくんが少し笑ってそれが受話器越しに伝わってきて、君さっきあたしにどんだけダメージ与えたか憶えているワケ?と思ったので、思い出させるために、
「気ぃぬけた。」
そのあたしの追撃にたぶん気づいて、
『えーと、精進します。』
(さらに追撃でなんとなく沈黙をしてみた、4秒)
『泣かせてすみません。』
声殺してたのに気づかれていたってので、ダメージくらった。
から、
「お黙り。」
『はい、イヤです。』
何か言ってやろうとアタマのなかで検索していたら、間髪いれずに、
『じゃ、そろそろ、最後のシメやるんで。』
逃げのお言葉。
けれど、「愚痴をしようとおもった。」って言葉がなんか何かでリンクして思い出して、26歳のこの人も19歳のあたしとおなじよーに、やっぱ愚痴ってあるしそれに愚痴をあたしに言おうとしてくれていたんだってので、機嫌直って、
「まーたねー。」
『おやすみ。』
って言ったアトは、互いに機嫌がよくなったってのもあって(カナメくんはあたしを泣かした泣かすことができたってので少しカナメくんの機嫌がよくなったのにカンケーをしているのだと思う。かばめ。)毎回のお約束な、切る直前の言い合い。
「あたしただいま試験勉強しようか迷い中なのに嗾けないでよ。」
『電話しながらんなこと君は考えていたワケ?』
ほら、「君」口調だし。機嫌がいい証拠。
「んーと、平均して30%くらいこの思索で脳みそつかってた、かなぁ。」
いじめてみる。
『ふぅん。』
少し語尾下がりの声に、思わず、慌ててつけたす。
「君、下手だからだから、途中途中で0%になったりもしたけれど。」
『ふぅん。』
少しうれしそうなカナメくん。
しまった、と思う。
「自惚れないでよ。」
『ははははは。』
渇いた笑いをされる。
「帰り道、事故らないように気ぃつけてね。」
えーと、ほかは何かあったっけ。
『はい。』
「泥棒にはいられないように気ぃつけてね。」
えーと、ほかは何かあったっけ。
『はい。』
「仕事よりも健康だからね、それ忘れないでね。」
えーと、ほかは何かあったっけ。
『はい。って、僕は園児ですか?』
「違うけれど。」
攻撃。
「要約すると、つまりね、会う前には死なないでってこと。」
(ワザと作った沈黙の6秒)
平然と、
「寝坊するくらいの心意気で。」
平然と、
『うーわ。』
「今日のとこは、ぐんない。」
『またね。』
なぜかオンナ口調。
「またな。」
なぜかオトコ口調。

てゆか、切ったあと反芻をしていて、あたしがこいつ殺す、とか思った。
とりあえず憶えてアタマのなかで再現することができるよーに、カキコ。

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