甘えた関係

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2001年11月07日(水)
むいかめ

□ごはん
朝:菜飯おにぎり・ウインナ・りんご(1切れ)
昼:唐揚げ丼(1/3)・お茶
夜:鯖の塩焼き・ニンニクの芽の炒めもの・えのきだけとあぶらげのお味噌汁・サーモンとまぐろのお刺身・サトイモの煮っころがし・ブロッコリ

■音楽・本・映画
・「秘書検定2級 問題と解説」(新星出版社)
取ろっかなぁ、と思って、買ったら、あたしよか先に読んでいたセイリョに、
『てめ、絶対コレ似合わないてか耐えられないてか無理ていうか、ハゲるよ?』
衝撃の「宣告」もどきの分析を受ける。
瞬間風速で、ロンギュニュスの槍(だっけ?)を思い出した。
いいじゃん、一応アニメでも流行りモノは押さえておこう志向なの。
放映されたの中学1年(か2年)で、実物見たのビデオ化されてからで、しかも、高2年(3年かも)のときだったけれどな。
しかも、見ようと決めたのは、金稼ぐためにだったけれどな。
ちなみに、5日間で全巻(映画版とかフルオーケストラ版とかそーいうの全て込み)で見斬った。

□明日の予定
・大学ー。
行きたくないんだけれど、ちょっと。
てか、身体が動きにくくなってきた。

・から、明日病院行く。
『来なかったら麻袋持ちで回収。』
と、「宣告」もどきな事前報告をさど医者に受けた。

■メル
・携帯:すこしすこし。
・PC:受1・送1

□会話
・とくにべつに。

■睡眠時間
・8時間くらい?
8日の3時から11時まで。
すごくイヤな夢をみた。
モト友達Rのおかあさんに、なんかひどく嫌われているという夢。
なんでかはわからないけれど、ていうのはウソで、それはあたしがひどく汚いくてそれを知られているから。
モト友達Rはそれを知らなくて、あたしに「モト」になる前のように、接していてくれて。
だから、あたしは、そのモト友達Rに、必死に媚び売って、作り泣きまでして、おばさんから逃げて、モト友達Rを騙していた。



>>>モト友達R
マンションが同じ、で、中学校のとき行き帰りを一緒にしていた。
クラスが同じになったことは、小・中学校となかったのだけれど。
小学校時代のあたしを見知っているのに、友達になれたのは、あたしがすこしRを卑下していたからだとおもう。
Rはひどい全身がアトピーで、日傘は必需品、包帯まで毎日しなくちゃいけないくらいだった。
それで、中学の最初のころ、登校拒否になっていたのだ。
あたしはそれを知って、Rに近づいた。
モトモト、その当時通っていたピアノ教室(マンション内)が同じで発表会とかも出番が近くてってこともあって親同士も仲良くて、だから、近づきやすかった。
Rがマンガが好きだということを知っていてあたしはマンガをたくさん持っていたから、
「学校きたら、マンガ貸してあげるよ。」
って、言って、一緒に学校に通うようになった。
懐かれるのがうれしかった。
Rは強くて、だから、一緒に居るとあたしは甘えるコトができて、だから、最初のその動機をあたしは自分も気づかない奥に、押しやっていた。
ピアノ教室は、教室を変えるときも一緒のとこに変えて、通っていた。
発表会では、連弾もした。
一度、Rと共通の友達Mをあたしの部屋に招いたコトがあった。
そのとき、二人とも、あたしの本棚からただ黙々とマンガを読んでいた。
あたしは、仕方なく、既読済みのマンガを読んでいた。
そのときの感情は、たぶん、「寂しい」。
二人は、一通りのマンガを読むと、それぞれ3・4冊を借りて、あたしの家から出ていった。
そして、中3になった。
Rはだんだんとその人格から友達を増やしていって、あたしはなんか取り残された感が強まってきた。
だから、確実に会うのが怖くて、ピアノ教室をサボるようになった。
あたしのピアノは、表現がストップできなくて暴走してしまうから、そこが良いっていう審査員もいるけれどあたしは、そういう内面が際限なく出ていってしまう自分の音の連なりがダイキライで、判り易過ぎるそれを、聴かれたくはなかった。
のくせ、受験というストレスもそれなりに感じていたのもプラスアルファされて、家ではピアノを弾き狂っていた。
今までのなかで一番、ピアノを弾いていたかもしれない。
Rは音楽療法士になりたいと言っていた。
だから、彼女のピアノは完全な長期にわたる日々の練習が透ける整然とした技巧でだった。
彼女の家には、ピアノは、居間に置いてあった。
あたしの家には、ピアノは、誰の部屋でもない部屋に置いてあった。
あたしは、そういう目標があってとりかかっているRを尊敬していた、それ以上に、畏敬ではなく畏怖していた。
失敗をするRを想像した、失敗をRはしないのに。
だから弾いた。たくさん弾いた。どんどん弾いた。
そして、あたしのピアノは巧くなった。
モトモト、あたしの指はひどく長かった、男性でさえ届きにくいという、鍵盤のドからファまで届くほどに。
家のピアノがハハのお古で鍵盤が他人のと比較してかなり重かったのもあり、手のひらには筋肉までうっすらとついていた。
それらが手伝って、ピアノ教室には出ていないくせに、巧くなっていった。
けれど、あたしは人前で弾くのが極度にニガテだった。
自分の内面をさらけだすあたしのピアノを、他人に聞かれるのが怖かったからだ。
そして、Rとあたしは、ある日、ピアノのセンセに指名されて、とあるコンクールに出ることになった。
センセにはそのとき既に嫌われていた。
当然である。ほとんど練習に出ないのだ。
Rの次にあたしが弾く、そういう順番だった。
幕の横に、あたしとRがいたとき、センセはRに熱心に最後の指導をしたり手を揉みほぐしたりしていた。
あたしは、両手を後ろで組んでいた。
そういうのをあたしはされないのはもう解かっているけれど、されないのは後ろ手に組んでいたからだ、と思いこみたかったのだ。
あたしは誰にでも100%で好かれたい。
Rが出ていった。
弾いた。
そのとき、そのRの演奏を聴いているとき、あたしのなかに突如ふつふつと湧いてきたくせに既に熱くなっていた感情を、なんていうべきなのだろう。
「のし倒してやる。」
と思った。
「あたしがのし倒してやる。負けるものか。このあたしが。Rなんかに。」
すごく強い本能のようなけれど下卑たものが基盤にはある、感情。
あたしのなかにこんな人格がいただんて、そのときまで、見えなかった。
Rが弾き終わったとき、あたしはそれが身体に充満していた。
そして、礼をしてRは舞台から出ていった。
あたしの名が呼ばれた。
そして、あたしはそのコンクールで、情熱を求められるスペインの曲を披露した。
あたしの指の長さと手の平にできた筋肉を活かせられる、選曲だった。
そして、最優秀賞をとった。
Rは、ソナタに収録してあるRの技巧を活かすことのできる曲を選び弾いた。
けれど、何もとらなかった。
3位、2位、1位、審査員特別賞、優秀賞、それらを読みあげていくオトコノヒトを、Rは見つめていた。
次はわたし。
そういうカオで、吸いつくように見つめていた。
あたしはそのRを見ていた。
あたしの名が呼ばれた。
人格は、弾いたときのままだった。
微笑んであたしはスポットライトに照らしだされながら歩いて、マイクを前にしてコメントをし、審査員一人一人の言葉を頂戴し、花束を渡され、盾を渡され、握手をした。
そういう、指先までを完全にコントロールした人格。
その後。
Rはあたしを避けるようになった。
Rは、あたしが勝った(あれは勝ち負けだった)のが、厭だったらしい。
そのコンクールで、あのときのあたしの演奏で、あたしとRは、互いの醜悪な部分を見合ったのだ。
互いの姿を見ると、そのときの互いが、思い出して、否、再演してしまうに違いないと、互いに思っているからだとおもう。
そして、その想像はきっと起こるコトだ。
それ以降、あたしとRは、マンションが同じなのに、一度も会ってはいない。
そして、それ以降、あたしは、ピアノを弾きわけることが出来るようになった。
けれど、あたしは、自分のどちらのピアノも嫌いだ。
大嫌い。


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