江草 乗の言いたい放題
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2023年02月05日(日) 大阪の教育を破壊したのは維新        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan






 大阪府の私立高校の学費は日本一高い。これは所得制限付きの私学学費無償化という政策を導入するにあたって、「学費を全額補償するために上限を設定」というキャップ制にしたからである。その結果、学費の高いところは値下げを余儀なくされたわけだが、安いところもその水準まで値上げしたのである。

 そもそも私立高校の学費を揃えることに何の意味があるだろうか。自民党参議院議員の松川るいさんはこのキャップ制に関して「私学は教育内容にさまざまな違いがあり、それが学費に反映されているというのが本来の姿であった。ところがキャップ制というのはレクサスもカローラも同じ値段で販売しろと言ってるのと同じ」という趣旨の発言をツイートされた。オレもそれに賛成する。

 高給を払っていい先生を揃えて、質の高い教育を提供しようとすれば授業料も高くしないと困難である。一方、教員の給与を抑えてそれなりのものを提供するならば授業料も安くできる。そうした私学の独自性を破壊したのが大阪府の導入した「上限キャップ制」なのである。60万円という上限を設定した結果、授業料の安かった私立高校もすべてそこまで値上げすることとなり、結果として大阪府の私立高校の授業料は日本一高いということになった。これでも大阪府の教育政策はうまく言ってると言えるだろうか。

 それまで生徒一人当たり40万円という国からの私学助成金は都道府県経由で学校に直接助成されていた。私立高校はその「助成金+生徒から集めた授業料」で質の高い教育を提供してきたのである。ところが大阪ではこの直接助成という制度が全廃され、私学はどこもいきなり財政難に陥ったのである。失われた収入を補うために、定員を超える人数をどんどん受け入れた学校は教室が足りずにプレハブ校舎を慌てて運動場に建て、足りない教員を補うために非正規雇用の教員を増やした。人件費の削減ということはすなわち教育の質の低下に直結する。

 民主党は2010年に公立高校の生徒の学費を無償化した。小学校、中学校は無償だからそれを高校にまで拡大したのである。ところがこの政策は「ばらまき政策」だと批判され、民主党が下野した後の2013年には自民公明維新の3党が賛成して、公立高校に通う生徒の学費補助に所得制限を加えたのである。所得制限なしの子ども手当同様に、少子化対策に効果のある民主党の政策は自民、公明、維新の3党によって次々とつぶされた。その結果として国による有効な少子化対策は10年間行われなかったのだ。やっと今になって岸田首相が「異次元の少子化対策」と言い出して所得制限の撤廃などが話題になってるが、そんなものはどうせ絵に描いた餅、異次元ではなく「二次元」の少子化対策だとオレは思っている。

 大阪では公立高校がどんどんつぶされている。いわゆる「(住民が)身を切る改革」である。学校を無くせば教員の数も減らせるし、公務員のリストラをしやすくなる。つぶされているのは主に学力偏差値の低い生徒が通う高校である。しかし、偏差値37の高校をなくしても、偏差値37の生徒がなくなるわけではない。その生徒は実際には通学定期券を買って遠くの私立高校に通わなければならなくなる。

 大阪の高校生の不登校者数は日本一多い。また1000人当たりの不登校率は全国で3位である。小学校、中学校の不登校率もどれも全国で3位以内に入っている。学校をどんどん統廃合し、方針に逆らう校長には恫喝やパワハラで締め付け、問題点はあってもゼニは出さずに現場に丸投げし、結果として児童虐待件数日本一や学力テスト全国最下位ということになっているのが今の大阪である。教員採用試験の倍率が低く、現役の教員が他府県の教員採用試験を受けて合格して流出していくという実態がなぜ起きるのか、それは大阪府の教育政策が根本的に間違っているからである。

 どうして大阪はこんなことになってしまったのか。そこで暮らす一人としてオレはこの状況をとても残念に思っている。政治というのは結果責任だ。維新の政治家は他府県で必ず「大阪の成功を全国に広げたい」などとほざく。でも実態は成功どころか大失敗しているのが大阪なのである。そういう嘘成果の宣伝に騙されたらダメである。

 京都府舞鶴市の市長選挙で、維新が単独推薦した市長候補が当選した。維新の会の目的は「党勢拡大」だけである。世界征服を企んだショッカーのように、維新の会は地方議員を増やすことで勢力拡大を図ろうとしている。彼らの目指すモノが何であるか、国民は目を覚まさないといけない。昨年は統一教会と自民党の関係が問題視されたが、オレに言われば維新こそがカルト集団であり、壺政党である。その真実は大阪でさえまだまだ知られていないのである。


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