江草 乗の言いたい放題
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2020年03月28日(土) インパール2020        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan




 2020年春、中国・武漢発の新型コロナウイルスによる肺炎は世界中に広がり、多くの国ではそれ以上の感染拡大を食い止めるために政府が国民に「外出禁止令」と「現金給付」という政策を実行した。ようするに「ゼニの心配はいらないから家に引きこもれ」ということである。

 ところが日本政府の下した命令は実に中途半端で、「外出は自粛」(法的強制力はなし)と「現金はもしかしたら給付するかも知れないけど、2か月先」という発表だったのである。オレは今回の状況を名付けて「インパール2020」と呼びたい。

 昭和19年春にインパール攻撃を企画した牟田口廉也中将は、補給のことをまともに考えず、「輸送に使った牛馬は現地で食料になる」「占領すれば食料は現地で調達できる」という無謀な作戦に突入した。牛馬は険しい山道を越える前に川に流され、占領どころか強力な反撃に遭ってしまった。「インパール」というのは「補給を無視した無謀な戦い」という意味である。

 さて、2020年春の日本である。政府はさまざまな経済活動を自粛させた。そのために仕事を失ったバイトやパートが増えた。飲食店の売り上げが激減し、店はバイトを減らして対応した。大規模なコンサートやライブが中止に追い込まれたが、もちろん国はその補償を一切しなかった。大きな赤字を抱えて倒産する会社も出てきた。命令はするが補給はしないという点ではインパール攻略作戦を命じた牟田口廉也と共通するのである。

 バイトによる収入をあてにしていたのがダメになり、3月末の家賃の支払いのめどが立たない人はたくさんいるだろう。誰もが無職で何か月も持ちこたえられるだけのたくわえがあるわけではない。

 正社員として働いている人はいちおう毎日の給料は保証されている。しかし、3月に入ってくるバイト収入を当てにしていたような人はいますぐに必要な5万円、10万円が足りないのである。それを切り捨ててしまえばどういうことが起きるのか。わずかな現金を求めて強盗やひったくりなどの犯罪が起きれば、もちろんそれは犯罪に走る人が悪いわけだ。サラ金やカードローンで借金すれば高い金利を支払うことになる。闇金に取り込まれれば人生が終わる。

バブル崩壊の時には多くの銀行が経営破綻寸前になった。北海道拓殖銀行が倒産し、山一証券が廃業した。銀行救済のために多くの公金が投入された。東京電力が福島原発のメルトダウンを起こした時、このままでは東京電力が経営破綻するということでやはり公金が大量に投入された。だったら雇用崩壊が起きた今、政府が他のことに無駄遣いしているゼニのほんの1%でもいいから困ってる人たちのために使えないのかと思うのである。

 家賃が払えずに追い出される人、今日食べるごはんがない人が必ず存在する。豊かな国であるはずの日本でも、そうした格差はちゃんと存在するのだ。

ロシアではプーチン大統領が「来週一週間を有給の休日にする」と国民に向けて発表した。とにかく日本以外の国は「ゼニは補償する」という方針なのである。

 今日本で「国民にゼニを出す」ことに反対している人は、基本的に全くゼニの心配のない人たちである。フリーターは自己責任だと思ってる人である。オレはとりあえずゼニの心配はないが、世間の困ってる人たちのことが心配でならないのである。


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