江草 乗の言いたい放題
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2019年11月26日(火) さよならS660        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan




 オレは4年と3か月愛用してきたホンダ・S660を手放すことにした。
 かつてバブル絶頂の時に軽自動車のスポーツカーが次々と売り出され、ホンダビート、スズキカプチーノ、マツダAZ−1などの個性的なクルマが登場した時、オレはまだ日産EXAを買ったばかりだったし、二人しか乗れない非実用車を買う気は起きなかった。。いつのまにかブームは去り、オレはそうしたクルマを手に入れるチャンスを失ったまま時は流れ、その後何度か「欲しい」と思ったクルマは出たが、タイミングが悪かったりすでに生産中止になっていたりして、そのままずるずるとオレは購入機会を手に入れることがなかったのである。

 いすずが乗用車から撤退したためにPAネロもビークロスも買えなかったし、日産が生産を打ち切ったので180SXも買えなかった。三菱がFTOの生産を終了するというニュースを知って、あわてて購入したのが2000年の8月のことである。それから15年間、オレは三菱FTOに乗っていた。毎日の通勤にも使っていたので22万キロも走ってしまったのである。

 さて、FTOを手放すにあたって、候補と考えたのはダイハツ・コペンであった。実は先代のコペンはとても好きなクルマだったので、もしも先代がキープコンセプトでそのまま売られていたら、オレは迷わずコペンを買っていただろう。しかし、二代目コペンはオレの美意識を刺激しなかった。「何かが違う」とオレは正直に感じたのである。

 その頃、ホンダから新しい軽2シーターが売り出されるというニュースを知った。またマツダがロードスターをフルモデルチェンジしたのも同じころだった。その二つのどちらかを手に入れようとオレは考えたのである。どうせ自分の通勤専用車で、実用性など全く考えなくてもいいという動機で、オレは2シーターを買うことにした。

 マツダロードスターとS660、価格はロードスターの方がかなり高い。もちろんトランクもちゃんと備わってるし、実用性もロードスターの方が上である。S660は荷物を積むトランクすらない。いつも間違った選択をすることが得意なオレは、そこで「非実用性の極致」であるS660の方を購入することにしたのである。

 そうして4年あまり、オレはS660を通勤で使った。実用燃費は19L/卍度と大いに満足できるレベルであり、しかも税金も安く、オレの財布を助けてくれたことは間違いない。ハイオク仕様だったFTOの時に比べて毎月のガソリン代は半分以下になった。4年間だから相当な金額が浮いた計算になる。

しかし、S660のシートはよくなかった。長時間運転すると腰が痛くなる。それは窮屈な運転姿勢のせいかも知れないし、ポジションの取り方がまずかったのかも知れない。2時間が限度だった。またその音のやかましさも我慢の限界だった。時速100キロを超えると音楽どころではなかった。ふつうに運転するだけでも緊張を強いられ、小さく低い車体が他のクルマのドライバーの視界に入らないということから何度か命の危険もあった。運転台が高い位置にある大型トレーラーや、アルファードやエルグランドのようなDQNミニバンからはオレのS660は見えにくかったのかも知れない。

 かくして、オレは身体的、能力的限界を悟ったのである。「オレはもう年だ!」もうそろそろ安全性や、運転の快適さ、容易さを目安にすべきではないのか。つまり日和見主義である。硬派であることからの脱却である。いつまでも若くはないのである。もう十分すぎるほどジジイなのである。老人なのである。ハゲなのである。S660を運転していても「年寄りの冷や水」と笑われるようになったことを自覚しないといけないのである。

 そんな気分でいたとき、オレが欲しいと思うクルマが発売された。それが「ダイハツ・ロッキー」である。5ナンバーサイズ、排気量1000CCのSUVである。SUVと言えばランドクルーザーとかエクストレイルとか、トヨタC−HRとか、とにかく巨大なものしかなかったのに、小さくて取り回しの楽なサイズで、しかも車両重量も軽くて燃費もさほど悪くなさそうなクルマが出ることになったのだ。オレの希望にピッタリなのである。そういうわけで、オレはS660を手放すことにしたのである。

 SUVを買う人間にはDQNが多い。DQNというのはとにかく大きなクルマが好きだ。オレの家の近くに、日本の道路には絶対に似合わないハマーの置かれている家があるが、こんな道路の狭い田舎町でなんでこんなアメリカンなクルマを所有しているのかと思うのである。ただ、もしかしたら家族全員身長2メートル、体重150キロとかある巨人家族かもしれないし、それならこういうデカいクルマも必要だから何とも言えない。

 ダイハツは以前にYRVというクルマを発売したことがある。1300CCの排気量ながら当時世界最強と言われたターボエンジンを搭載してパワーウェイトレシオも6.7という恐ろしく速いクルマだった。しかし、2005年に生産は打ち切られている。

 今回発売されたロッキーが世間からどんな評価を受けるかはわからない。ただ、オレの好みは常に世間のメジャーな評価とは外れているのである。そう思うと、このロッキーも不人気者となって数年で消えていくような気がしてならないのである。


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