江草 乗の言いたい放題
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2017年04月07日(金) 銃剣術とは人を殺す技術である        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan




 自衛隊の中でひっそりと行われている武道である「銃剣術」がなんと学校教育の中で体育の選択科目として教える「武道」に加えられるらしい。なんとおかしなことをやらせるのかとオレはあきれている。

 「銃剣」というのは相手の急所を突いて絶命させるための武器であり、戦争の時には用いられるかも知れないが平時には全く不要のものである。物資の乏しかった旧日本軍が、撃ち尽くして銃弾がなくなった時や、はじめからタマがない場合に活用された武器が銃剣なのである。銃剣で突くよりも銃で撃った方が効率的なわけで、物資弾薬が豊富な近代戦ではなんの意味もない。

 もっとも銃は発射すると音が鳴るが、銃剣では音もなく刺殺できるわけで、そういう意味では夜襲などに効果があったのかも知れないが、レーダーや暗視スコープを装備してる近代戦ではそもそも夜襲など効果がない。まあ時代錯誤のレトロなものを、自衛隊はありがたがって今でも練習させてるということなんだろうか。

 銃剣では「斬る」という動きはあまり意味がない。「刺突」以外の戦術はほぼ存在しないわけで(実際の戦闘では台尻で殴るとかもあったらしいが)、防具を着けている場合は防具の隙間である喉を突くことが有効な攻撃となるわけだが、そんなこと学校現場でやらせれば怪我人が続出するだろう。そんな危険なことを教育現場に持ち込むワケにはいかないのである。

今なぜそんなものを学校でやらせようとするのか。それは最近世の中を騒がせている森友学園の事件と無関係ではない。森友学園は幼稚園児に「教育勅語」を暗唱させるという馬鹿な教育で有名になったが、安倍昭恵をはじめとする多くの自民党の馬鹿政治家やその子分どもには好意的に迎えられたのである。オレは戦前の精神の中で評価できるところは評価した方がいいという立場だが、「教育勅語」は支持しない立場である。よく内容も理解できないまま(というか馬鹿だからわかってないのかも知れないが)そんなものを教育現場に持ち込もうとする精神はどうかしている。

 どちらかというとオレは柔道や剣道のような武道を学校体育のカリキュラムに入れることにも反対だ。そんなものは部活動の趣味だけでいい。日本中の学校でどれだけ多くの事故が起きて、未熟な指導者に武道を教えられたためにけが人が出てるのか。授業中に級友に投げられて怪我をしたり、いじめられてる生徒が柔道の絞め技で落とされたりなどという事故は無数に起きている。そうした事故の件数が膨大であることは資料にきちっと残されている。

 「柔道」「事故」「件数」で検索を掛けるとこんな記事が出てくる。

「毎年、柔道事故で約4人の子どもが亡くなり、約10人が重い障害を負っている」という事実に、日本中が驚愕したのは2010年。中学校における武道必修化が2年後に迫った時期でした。中学・高校の学校内における柔道事故の死亡者は、1983〜2011年の29年間で、実に118人に及びます。
(内田良名古屋大学大学院准教授著「柔道事故」河出書房新社より)
その後、2012年から2014年の死亡事故の発生は0件となりました。
しかし、2015年5月に福岡の中学1年生が急性硬膜下血腫で、8月に横浜の高校1年生が熱中症で、昨年4月に仙台の高校3年生が頸椎脱臼骨折で死亡しています。
つまり、1983〜2015年の33年間で、121人もの生徒が柔道事故で亡くなっているのです。



☆2004年横浜市立奈良中学校で、柔道部顧問の薦めたスポーツ推薦を断った生徒を顧問が柔道指導の名のもとに暴行し、急性硬膜下血腫を発症させて被害生徒は重度の障害を負った。
顧問教諭は傷害罪で書類送検されたが、「柔道場で柔道衣を着て柔道技を使っていたら、どこまでが柔道で、どこからが犯罪か線が引けない」との理由で不起訴となった。
講道館杯優勝者であるためか、教育委員会からの処分すら一切ない。
☆2009年滋賀県愛荘町立秦荘中学校で、中学1年男子生徒が喘息の持病があるため柔道部顧問に別メニューでの練習を依頼していた。しかし他の生徒よりも過酷で長時間の練習をさせられ、ふらふらになってまともに歩くことすらできなくなったにもかかわらず、顧問は更に投げて、生徒は急性硬膜下血腫を発症して死亡した。
顧問教諭は傷害致死容疑、校長は業務上過失致死容疑で書類送検されたが、どちらも不起訴で終わった。


 このように武道とは危険なものなのである。学校の体育の授業とは本来なじまないのである。その危険な武道をできるだけスポーツとして世界に通用するようにしたものが「柔道」「剣道」なのである。ただ、多くの事故が起きていることは事実なのだ。

 しかし、銃剣術はどう考えても「殺すための技術」である。そんなものを学ぶ必要はないし、そんな技術を活用しないといけないような世の中になればも日本はオシマイである。


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