2016年06月26日(日)

もしも日本で産業革命が起きていれば・・・

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　テロと戦争と差別と貧困にまみれた今の世界を作ったのは誰か。豊かな先進国で多くの若者が薬物に溺れてしまう悲劇が生まれるのはなぜか。難民という形で国を追われる多くの人々が発生するのはなぜか。ＩＳやボコ・ハラムという組織的性暴力を活動の中心に据えたならず者どもがどうして出現したのか。

　歴史について「あの時もしもこうだったら・・・」と語ることは意味の無いことだ。しかし日本が戦前に国際連盟に提唱した「人種平等宣言」は人種差別大好きな国家の反対によって否決され、太平洋戦争が終わった後も英仏蘭はアジアで植民地の権益を確保して支配を継続しようとしていた。今のアフリカの悲劇はすべて西洋列強の奴隷貿易に端を発している。オレは思うのだ。もしも日本で世界最初の産業革命が起きていればどうだっただろうか。蒸気機関などの内燃機関が日本で発明され、大航海時代を迎えて世界に進出するのが日本だったらどうだろう。さまざまな近代兵器を最初に開発するような国になっていたら世界の歴史はどう変わっていただろうか。世界で最初に核兵器を開発できたのが日本ならばどういう結果を迎えていただろうか。日本の価値観が世界を支配していたら世界はどんなにすばらしかっただろうかと。

　もしも日本のサムライたちが、奴隷貿易の実態を知ったらどうしただろうか。彼らはその悪逆非道を糺すべく、奴隷を積み込みに来た船を破壊して多くの黒人を救っただろう。インカ帝国の侵略を知ったらどうか。こんな非道な連中は許せないとばかりにスペイン人を斬りまくっただろう。ところが明治維新の頃にはもう西洋列強のアフリカやアメリカへの植民地支配はほぼ完成していた。もしも歴史を巻き戻せるならば、大航海時代以前に日本で産業革命が起き、日本が世界に海洋進出できていれば・・・と思うのである。もしもそうなっていたなら世界は今と全く違った姿になっていただろう。

　豊田有恒はその小説「モンゴルの残光」の中で、モンゴル帝国が世界を統一し、黄色人種が支配層になっていて、白人が最下層で虐げられているという歴史を描いて見せた。オレが高校生の時に読んだＳＦの名作として今でもオレはその作品を多くの人に勧めたいと思っている。

　江戸時代の日本は世界でも例をみない治安のいい国家であったという。庶民でも文字の読み書きができて、お伊勢参りという旅行さえできた国が当時世界のどこに存在しただろうか。そんな先進国だった日本が西欧列強の軍事力の前に開国を強いられて、自分たちよりもはるかに野蛮で文化も劣っていて、何より精神的に愚劣な西洋人の横暴に屈することになった時、日本は大きな過ちに向かって進んでいくのである。西洋の差別思想や価値観からは何も学ぶ必要はなかったのだ。すぐれた人権思想を持っていたのは実は日本人の側だったのだ。

　もしも今の日本列島がそのまま過去にタイムスリップできれば、現代日本が５００年昔にさかのぼることができればどうなるだろうか。そこで世界に君臨する軍事力を持つ超近代国家として世界に影響力を及ぼせればどうなっただろう。アメリカインディアンが虐殺されることもないし、奴隷貿易も行われない。そんな歴史が実現していただろう。日本が持っている科学技術を西洋の野蛮国家が絶対に軍事目的に転用しないように監視し、戦争のない世界を実現するために日本は世界に貢献できたはずである。

　歴史にはさまざまな「もしも」がある。豊臣秀吉が禁教令を出してキリスト教の布教を禁止した背景には、日本人が奴隷として東南アジアに売られるという実態があった。「布教」を隠れ蓑にして植民地化したり現地人を搾取したりする西洋の腐った連中に対して明確に「ＮＯ！」を示したのだ。

　日本は鎖国によって日本国民と日本精神を守ろうとした。もしもその時日本人が世界に海洋進出することを考えていれば、今の日本はどうなっていただろうか。鎖国しないで西洋列強と戦えばどうなっただろうか。

　アメリカ開拓史は侵略と虐殺の歴史である。そうした自国の黒歴史を反省できない国家には中国のチベット侵略を批判する資格はないし、事実その問題に関してアメリカ大統領が発言することはない。中国にとって映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の中で中国共産党を批判したブラッド・ピットは国賊である。

　太平洋戦争の敗戦によって、戦前の日本の歴史はすべてが「悪」とされてしまい、その後の世界秩序が戦勝国の手によって恣意的に決定され、現在に至ったことを我々は忘れてはならない。ただ単に「戦争に勝った」というだけの側がまるで正義そのモノであるかのようにその後の世界の価値観を決定してしまったことをオレは不愉快に思うのである。かつて日本は世界でもっとも高潔な魂と理想を持つ国家であった。世界に覇を唱えるべきはアメリカでも英国でもなく、まして未だに帝国主義を実践しようとしてる習近平独裁の国であるはずがない。